終身雇用制度が崩壊しつつある現在、50代で転職を考える人も少なくありません。しかし、 50代での転職の現状は厳しいため、事前の準備をしなければ失敗の可能性が高くなっています。
50代で転職に失敗してしまう人は、どのような特徴があるのでしょうか?この記事では具体的な9つの特徴と対応策を解説します。50代が使う転職サービスもあわせて紹介しているので、50代の転職で不安を抱えている方には必見です。
記事の目次
50代の転職の現実
50代での転職活動を失敗しないためにも、転職の現実を把握しておきましょう。雇用動向調査をもとに、50代の転職の現実について解説していきます。
50代の転職入職率は約4%
転職入職率とは、常用労働者数に対する転職入職者数の割合です。過去1年以内に、他の会社に勤めていた人が入職した割合を表します。
厚生労働省が発表した令和3年上半期の転職入職率によると、50代男性の転職入職率は5%に満たない割合になっています。
50〜54歳 | 55〜59歳 | |
男性 | 2.4% | 2.9% |
女性 | 4.7% | 4.0% |
50代の転職入職率は他の年代と比較しても高い数値ではありません。転職入職率を見ることで、「実際に転職を成功させた人の割合」が推測でき、50代の転職は厳しくなることが予想されます。
留意すべきなのは、転職入職率と転職成功率は同じではない点です。転職成功の定義はさまざまで、「希望した会社に転職できる確率」「希望にこだわらず企業に転職を成功させた確率」など人によって異なります。
転職成功率は条件を下げれば高まるため、一概に判断できないのです。
転職したら年収が下がる可能性がある
50代の転職では、年収が下がる可能性があることも頭に入れておかなければなりません。いままでの経験やスキルが蓄積されている50代でも、転職すると年収が下がる可能性があります。
厚生労働省の調査によると、50代で転職した場合50〜54歳の約31%、55〜59歳の約51%が「年収が下がる」と回答しました。
50代前半までは、40代後半と年収が下がる確率はほぼ変わりませんが、50代後半になると年収が下がる確率が一気に高まります。年収を上げることばかりに気を取られすぎず、転職活動をするよう意識しなければなりません。
求人数が少ない
50代の転職が厳しい理由として、他の年代と比べても求人数が少ない点が挙げられます。多くの企業では、定年までの期間が長い人材が長く会社に定着してもらえるように、採用活動をしています。
企業は、定年が近い50代ではなく、長期間貢献が期待できる20代や30代などの若い年代の人材を採用するのです。
また、50代となると役員をはじめとした管理職に就いている人もいますが、転職市場では上位層のポジションの求人は多くありません。企業の中でも少ないポジションであることから、1つの求人に対して競争率も高くなります。
このような背景から、他の年代と比較しても50代は求人数が少なく、募集の窓口が狭い年代なのです。
50代で転職に失敗する人の9つの特徴とその対応策
50代からの転職がすぐ決まる人と決まらない人の違いは何でしょうか。ここでは50代で転職に失敗する人の9つの特徴と、その対応策をまとめました。
特徴1:50代の転職市場を把握していない
事前に転職市場を把握していない50代は、転職に失敗しやすい傾向です。労働力調査 によると全体の転職者約288万人のうち、45歳〜54歳の転職者数は約52万人、55歳〜64歳の転職者数は約42万人でした。
希望の求人に出会えたとしても倍率は高く、内定まで道のりは険しくなっています。正しく転職市場を理解していないと転職活動が長期化し、失敗する可能性が高くなります。
対応策:転職入職率や求人数などの情報をチェックする
転職市場を把握するためには、転職入職率だけでなく職種、業界別の求人数の情報収集をするとよいでしょう。50代は他の年代と比較しても転職入職率は低く、求人数も多くありません。希望に合う求人も20代や30代などの若い年代と比べると少ない傾向です。
そのため、少しでも希望に合った求人と出会うためにも、詳しく現状を把握し、対策を考えることが大切です。希望に合った求人を見つけたらすぐ行動できるよう、履歴書や職務経歴書などの準備も進めておきましょう。
特徴2:転職したら年収がアップすると思い込んでいる
「転職したら年収がアップする」と思い込み、年収に固執した転職活動をしていると失敗してしまいます。厚生労働省の調査にもあるように、転職して年収が上がる割合は50〜54歳で約32%、55〜59歳で約22%です。
目先の年収アップだけに囚われて転職活動をしてしまうと、自分がやりたかった仕事と異なり、後悔してしまいます。その結果、短期離職になってしまう可能性もあるのです。
対応策:年収が下がるケースも想定する
転職したら年収が下がるケースも想定しておくだけでなく、転職後に年収が上がる場合、どれくらいの年収増の可能性があるのかを検討しておきましょう。
また、余剰資金を準備し、何かあった際に対応できるように準備しておくことも重要です。
特徴3:自分の強みを理解していない
50代の転職活動では、自分の強みを理解しておく必要があります。自分の強みを理解しておかないと、履歴書や職務経歴書を提出する際や、面接の場でもうまくアピールできません。
うまくアピールできなければ、選考にも通過しづらくなってしまい、転職活動が失敗してしまうのです。
対応策:キャリアの棚卸しをする
自分の強みを理解するためには、キャリアの棚卸しが欠かせません。50代の場合、キャリアの棚卸しをする際は、下記のような内容を洗い出して自分の強みを見つけていきます。
- どのような業務を経験してきたのか
- どのような実績を残してきたのか
- どのように仕事で直面した問題を解決してきたのか
これらの項目を書き出すことで、いままでの経験を視覚化でき、自分の強みを把握できるのです。50代が転職活動を失敗しないためには、自分の強みを理解し、企業が求める人物像に沿ってアピールすることが重要になります。
特徴4:企業の分析ができていない
50代の転職活動では、企業の分析ができていない場合も、転職活動が失敗する可能性が高いです。企業の分析をすることで、志望先の企業が自分に合った企業なのか、見極められます。
企業の分析ができていないと、志望先の企業の採用担当者から「志望度が低い」と見なされてしまい、なかなか選考を通過できません。
また、分析する前には「自分は何がやりたいのか」「転職先の企業でどのような仕事内容に携わりたいのか」を明確にしておくことが大切です。求人票の内容を確認するだけでなく、面接の中で質問して実際の業務をイメージすることで、入社後のギャップが少なくなります。
対応策:企業の社風から決算情報までリサーチする
念入りに企業の分析をおこなうことで、企業の理解が深まります。企業を分析するときは、企業の社風から決算情報までリサーチすることがおすすめです。
企業の社風を知ることで、自分の志向性にマッチした企業かどうかも判断できます。決算情報は企業サイト内のIRのページを見ることで、志望する企業の経営状況がわかります。
さまざまな角度から企業を分析し、「なぜ、この会社を選んだのか」と伝えるためにも、しっかりと企業に関する情報を集めましょう。
特徴5:やみくもに求人に応募する
転職活動がうまくいかないとき、焦りや不安を抱える50代は少なくないでしょう。焦りや不安を抱えているときでも、「どこでもいいから転職しよう」と、自分が希望する条件と合わない企業にやみくもに応募してはいけません。
やみくもに求人に応募してしまうことで時間も工数もかかり、さらに自身を追い込んでしまい、転職活動が失敗してしまいます。
対応策:転職したい企業の条件に優先順位をつける
やみくもに求人に応募するのを避けるためにも、転職したい企業の条件に優先順位をつけておくとよいでしょう。転職したい企業の条件に優先順位をつけるときは、「譲れない条件」と「妥協できる条件」に分けて決めていくのがおすすめです。
条件の例として以下のようなものがあります。
- 業務内容
- 会社の規模
- 年収
- 働き方
例えばこの中から、リモートで働きたいと考えていれば「働き方」の条件が優先度が高くなります。一方で、どんなの規模の企業でも大丈夫と思うなら、自分の中で「会社の規模」は妥協できる条件に当てはまります。
優先順位をあらかじめ設定しておくことで、効率よく転職活動を進められます。
特徴6:仕事を辞めてから転職活動をはじめる
50代は早く辞めなければならない事情がない限り、仕事を辞めてから転職活動をはじめるのはおすすめしません。
転職理由によっては、勢いで在籍している会社を辞め、失業手当をもらいながら転職活動をおこなう人もいるでしょう。しかし、転職先が決まっていない状態で辞めてしまうと、精神面や収入面でも大きな負担となってしまう可能性があるのです。
対応策:在職中から転職活動の準備を進める
50代はいつ何が起きても対応できるように、在職中から転職活動の準備を進めておきましょう。すぐの転職を考えていなくても、転職活動の準備はできます。
在職中でも、転職サイトや転職エージェントに登録して、転職に関する情報収集は可能です。最新の転職市場を知っておくことで、自分が転職市場で評価されるポイント、いまの自分に足りないポイントがわかります。
また、履歴書や職務経歴書を更新しておくのもおすすめです。最新の状態に更新しておくことで、「行きたい!」と思った企業を見つけたときにすぐ応募できます。
特徴7:前職の批判をする
面接の場で前職の批判をする人が見られますが、このような人は転職活動に失敗しやすいです。50代は、前職での経験を伝えるときは、批判にならないよう話しましょう。
転職する際、前職にネガティブな思いを抱える人は少なくありません。しかし前職の批判をすると、面接官には「前職と同じように、会社への不満が溜まったらまた辞めてしまうのでは?」と思われてしまいます。
対応策:自責思考を持つ
前職を批判するのではなく、自責思考を持ちましょう。自責思考を持つことで、問題があったときにその原因を自己分析し、同じミスを繰り返さないようにする姿勢が身につきます。
自責思考を持った人は、いままでの経験を当事者意識を持って受け止められるので、面接の場でも過去の経験をポジティブに伝えられます。その結果、採用担当者からの評価も好印象となるのです。
特徴8:プライドが高い
プライドが高い人は、転職活動で失敗しやすい傾向があります。プライドが高いと、企業は「上司や部下とトラブルを起こすのでは?」「新たな環境で馴染む努力をしないのでは?」と懸念を抱いてしまいます。
プライドが高すぎると、過去に素晴らしい功績があったとしても、企業とはミスマッチと判断されかねないのです。
対応策:新入社員になった気持ちで謙虚に振る舞う
50代でも、転職するときは新入社員になった気持ちで、謙虚に振る舞うことを心がけましょう。企業は50代を採用する際、選考を通じて「謙虚さ」を持ち合わせているか判断します。
今までの実績や経験を伝える際は、謙虚さが伝わるエピソードを交えてアピールすることを意識しましょう。自慢するのではなく、「チームメンバーのおかげで達成できた」「〇〇した経験があったから成し遂げられた」など伝えると、好印象につながります。
特徴9:1人で転職活動を進める
悩みを周りに打ち明けられず、一人で転職活動を進めてしまう人も、転職に失敗する傾向です。1人で転職活動を進めてしまうと、不安や悩みを抱え続けなければならないため、精神衛生上よくありません。
また、1人で転職活動を進めることで、「何が問題で転職先が決まらないのか」原因がわからないまま続けることになります。その結果、転職活動が長引く可能性もあるのです。
対応策:周りの人や転職エージェントに相談する
1人で転職活動を進め、なかなかうまくいかないと感じる人は周りの人や転職エージェントに相談しましょう。家族や友人など信頼できる人に話すことで、社内に話が広がらず、第三者の視点で悩みを聞いてもらえます。
転職エージェントには、転職活動をサポートするキャリアアドバイザーがいます。転職に関する豊富な情報を持っているので、心強い存在になるでしょう。
1人で転職活動で悩んでいると精神的に追い込まれます。話すことで気持ちが楽になることもあるので、つらいと感じたときは周りの人や転職エージェントに頼りましょう。
企業が50代に求めるスキルや経験
50代となると、企業はキャリアに応じた高いスキルや経験を求めます。50代が転職を失敗しないためには、どのようなスキルや経験が必要なのでしょうか。5つ紹介していきます。
対人折衝力
50代では、仕事においてコミュニケーション力が求められます。ここでのコミュニケーション力は親しくなるための能力ではなく、「対人折衝力」を表します。対人折衝力は、意思や主張を相手にうまく伝えるためのスキルで、相手との交渉に必要不可欠です。
対人折衝力が不足していると相手からクレームを受けたり、自分たちの要求からかけ離れた要求を飲んでしまったり、トラブルに発展してしまいます。
対人折衝力を高めるためには、相手を深く知る癖をつけることが大切です。相手の立場で物事を考え、相手が得たい利益は何か知ることを意識しましょう。企業間の取引であれば、事前に相手企業の情報収集をすることで、交渉がスムーズになります。
専門的なスキル
50代は転職先の企業が欲している専門的なスキルを持っていれば、即戦力として採用されやすくなります。企業は採用の際にコストが発生するため、より教育コストがかからない即戦力人材を採用したいからです。
今までの経験が転職先で生かせるスキルであれば、積極的にアピールしましょう。語学や専門職(医療・金融・不動産・建築など)に関する資格、プログラミングスキルなどは特に重宝されます。
上記のようなスキルを持っていない場合でも、アピールポイントはあります。例えば、「営業職で達成率毎月120%」といった経験をアピールすれば、営業力があることを伝えられます。
企業は、転職者がどのように専門的なスキルを生かしてくれるのかを期待しています。50代の転職者はいままでの経験を洗い出し、自分がどのような専門的なスキルを培ってきたか把握しておきましょう。
ポータブルスキル
企業が50代に求めるスキルの一つに、ポータブルスキルがあります。ポータブルスキルとは、「業種や職種にとらわれず、どのような環境でも生かせる汎用性の高いスキル」です。ポータブルスキルを身につけることで、転職後も即座に成果をあげられる人材になれます。
ポータブルスキルにはさまざまなものがあり、以下は一例です。
- 協調力:同じ目標達成に向かって、力を合わせて協働や共創ができるスキル
- 傾聴力:相手の話に耳を傾け、理解するスキル
- 機動力:状況に応じて、素早く行動を起こせるスキル
自分はどのようなスキルに長けているのか把握し、伸ばすべきスキルや身につけたいスキルを習得しましょう。
リーダーシップ(統率力)
50代の転職では、リーダーシップ(統率力)が求められます。企業は50代に、部下や後輩をまとめていくリーダーシップを期待しているのです。
リーダーシップがある人材は、目標を達成するためにチーム全体を正しい方向へ導いていきます。リーダーシップを発揮する人は、組織の団結力を強め、組織全体のパフォーマンスをあげていきます。
リーダーシップ(統率力)を身につけるためには、積極的に新人教育やプロジェクトマネジメントの経験を積むのがおすすめです。積極的に仕切る経験を積むことで上司からも信頼され、仕事を任されるようになります。
チームのマネジメント経験
50代の転職者は、チームのマネジメント経験がある場合、企業にしっかりアピールしましょう。チームのマネジメント経験を評価し、管理職のポストに50代を採用するケースも少なくありません。
なぜなら、管理職にはプロジェクトを推進し、チームメンバーと密にコミュニケーションを取りながらマネジメントするスキルが求められるからです。
チームのマネジメント経験はスタートアップやベンチャー企業の求人でも求められます。メンバーを育成する仕組みをつくったり、組織に影響を及ぼす人材が必要とされるため、チームのマネジメントの経験が求められるのです。
以下の点をまとめておくとよいでしょう。
- 何名のチームを率いたのか
- どのようにチームのマネジメントをおこなったか
- チームメンバーからの評価はどうだったか
チームのマネジメント経験は転職において大きな武器となるので、50代の転職者は転職活動を失敗しないためにも、詳細に伝えていきましょう。
50代が使うべき転職サービス
50代が転職を失敗しないためには、さまざまな転職サービスを利用するのがおすすめです。転職サービスを利用することで、転職や仕事選びを効果的に進められます。ここでは、50代が使うべき転職サービス4種類について解説していきます。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、株式会社リクルートが運営する転職エージェントです。40年以上の歴史があり、累計45万人以上の転職成功実績があります。
一般公開している求人で約208,000件、非公開求人が約264,000件(2022年6月時点)と業界最多の求人数を保有しているのが強みです。キャリアアドバイザーに相談しながら転職先を探せて、応募書類の書き方や面接対策などのアドバイスもしてもらえます。
関東だけではなく関西や東海、北海道、福岡など北から南まで幅広い地域に拠点があります。非公開求人含め多くの求人を見たい人、日本全国の求人を見たい人におすすめです。
FROM40
FROM40は、株式会社ダトラが運営する日本最大級の40代・50代向け転職サービスです。会員登録数は約25,000人で、求人数は16,900件(2022年6月時点)になります。40代・50代の求人に特化しているため、50代の転職希望者でも年齢を気にせず求人を探せます。
営業系や技術系、販売・サービスなど幅広い職種の求人を掲載していて、雇用形態もさまざまです。登録すると無料でスカウトサービスを利用でき、企業によっては、面接確約のオファーを受けられる可能性もあります。
雇用形態を問わず、50代に特化したサービスを利用したい人は、FROM40がおすすめです。
リクルートダイレクトスカウト
リクルートダイレクトスカウトは、株式会社リクルートが運営するハイクラスに特化したスカウト型の転職サービスです。無料で会員登録ができ、自分の職務経歴を登録しておくとヘッドハンターや企業からスカウトが届くシステムになっています。
自分でもハイクラス求人を検索できるので、併用することで転職活動の効率を上げられます。年収800万円以上の求人を多く保有しているので、ハイクラス転職を考えている人は登録しておくとよいでしょう。
JAC Recruitment
JAC Recruitmentは、ミドル・ハイクラスに特化した転職サービスです。転職活動の支援実績は約43万人で、転職コンサルタントが約1,200名所属しています。日本企業だけではなく、外資系企業や海外に進出している企業などグローバル転職に強みを持っています。
JAC Recruitmentでは、転職コンサルタントが企業と求職者の双方を担当しています。転職コンサルタントは企業の状況にも詳しく、求職者の希望も把握しているため、双方にとって適切なマッチングが可能となるのです。
転職にこだわらない50代からのキャリアプラン
50代では転職にこだわらないキャリアプランもあります。転職にこだわらないプランも視野にいれておくことで、失敗と捉えず、前向きにキャリアを形成していけます。そこで重要なのが「キャリア自律」の考え方です。
「キャリア自律」とは、企業や組織に依存するのではなく、個人が自分自身のキャリアと向き合い、主体的にキャリアを開発していくことを意味します。
従来、日本では企業にキャリア形成が委ねられていましたが、昨今は企業の環境も変化し、個人が自発的にキャリアを形成する力が求められています。働き方が柔軟になっている今、会社員として働くだけでなく、自分自身でスキルアップをし、キャリアを切り開く必要があるのです。
現職に不満があるわけでない場合は、複業(副業)などをきっかけに小さなスキルを得ていくのもよいでしょう。今の仕事を続けながら複業(副業)するのも、キャリア形成の1つの手段です。複業(副業)することで、自分の新たな可能性にも気づき、成長できます。
複業(副業)をするときは今までの経験や経験を活かせる内容がおすすめです。以下は一例になります。
- 経験やスキルを活かした採用業務の代行
- 蓄積した専門知識や技術を生かしてプログラミングの講師
- イラストの趣味が高じてデザインの制作
会社に依存せず、自身のキャリアを自律させていく工夫が必要です。
いまの会社に勤めながら副業(復業)をはじめる
いまの会社に勤めながら副業(復業)を始めて、キャリアを築いていくのも1つの手段です。副業をすることで、以下のようなメリットが得られます。
- 仕事のモチベーション向上
- いまの会社と異なるジャンルの人たちとの人間関係を築ける
- 新しいスキルの習得
- 仕事の選択肢が広がる
副業であれば、本業とは異なる分野に取り組むことも可能です。例えば、独学でプログラミングを学べば、習得したスキルを生かの受注ができます。
「できることを増やしたい」と考える人は、転職以外にも複業(副業)といったキャリアプランでの自己実現を検討してみましょう。
プロボノを通じて社会貢献する
近年、50代からのキャリアプランの選択肢として「プロボノ」があげられるようになりました。プロボノとは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉です。
「社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を生かして取り組むボランティア活動」を意味します。自分が培ったスキルや、専門知識を使ってボランティアをするのが通常のボランティアと異なります。
社会の役に立ちたいと考え、似たような価値観の人たちと出会いたいと思っている人におすすめです。
個人事業主としてキャリアを歩む
50代のキャリアプランには、企業に所属するのではなく、個人事業主として事業を始める方法もあります。高いスキルや、豊富な経験がある人にはおすすめです。
個人事業主には、以下のような職種で活躍している人がいます。
- Webデザイナーやイラストレーターなどのクリエイティブ系
- 行政書士や中小企業診断士などの士業
- 塾の講師や英会話教室の運営などの教育系
今まで関わってきた業界・職種に関する事業や長く続けている趣味など、すでに基盤ができている分野であればスムーズに始められます。培ったスキルや経験を生かし、自分の力で収益を得たいと考えている人は個人事業主の選択肢も検討してみましょう。
起業して会社を経営する
50代では、起業して会社を経営することも可能です。50代で起業する人の中には、いままでの経験を活かした事業を展開するだけではなく、未経験でも需要のある分野の事業に挑戦する人もいます。
未経験で起業するのであれば、マニュアルが構築されているフランチャイズ系やコンサルティングなどが考えられます。会社経営は利益を追求しなければならないため、リスクがありながらも挑戦したい人におすすめです。
まとめ
50代で転職に失敗する人の特徴とケース別の対応策を解説してきました。失敗する人の特徴と当てはまっていないか、自分の行動を見なおすことで、50代の転職を成功させられるのです。当てはまっている場合は、対応策を参考に行動を改善していきましょう。
また、50代は転職に限らずさまざまなキャリアプランがあります。キャリアが失敗とならないよう、さまざまな選択肢の中から自分に合ったキャリアプランを見つけ、実現するための行動に移していきましょう。