「経験を積んできたはずなのに仕事ができない」と悩んでいる40代も多いのではないでしょうか。あるいは、「仕事ができない40代の上司がいて困っている」という管理者側の悩みもあるでしょう。
実際、そのように不安やコンプレックス、悩みを抱えている40代のビジネスパーソンは少なくありません。どうにか改善ができないか解決策を求めているはずです。
この記事では、悩むビジネスパーソンに向け、40代で仕事ができない人の7つの特徴と解決策を紹介します。管理者視点で、仕事ができない40代と付き合う3つのポイントも紹介しています。
ぜひこの記事を参考にしながら、「仕事ができる40代」になるための行動を開始してみてください。
記事の目次
40代で仕事ができない人の7つの特徴と解決策
それでは、40代で仕事ができない人の7つの特徴を、解決策とあわせて紹介します。40代で仕事ができないと悩んでいる人は、「自分に当てはまる問題点」を見つけていきましょう。
特徴 | 解決策 |
コミュニケーション能力が低い | 報連相の徹底を心がける |
タスク管理ができない | 始業前に今日のタスクを整理する |
新しいことを勉強する意欲がない | 隙間時間で勉強する習慣を作る |
物事を素直に受け入れられない | 一度周りの意見に耳を傾けてみる |
なんでも他人のせいにする | まずは自分に原因がないかを探ってみる |
他の人に仕事を任せられない | 難易度の低い仕事を他の人に振ってみる |
今の仕事が自分に向いていない | 部署の異動を検討する |
特徴1:コミュニケーション能力が低い
仕事ができない人の特徴としてまず挙げられるものが、コミュニケーション能力が低いという特徴です。当然、仕事をする上ではコミュニケーション能力が欠かせません。
なお、言語コミュニケーション能力は「伝える力」と「聴く力」に分解できると言われています。そのどちらも兼ね備えることが、仕事を進めるうえで重要なのは明らかです。
HR総研の「社内コミュニケーションに関するアンケート2022」によると、コミュニケーション不足が業務の障害になると思う人の割合は、「大いにそう思う(72%)」と「ややそう思う(21%)」を合計して93%でした。
とりわけ、迅速な情報共有や部門間の連携、チームビルディングに障害が出ていると多くの人が考えているようです。
解決策:報連相の徹底を心がける
コミュニケーション能力が低いと感じる場合、まずは報連相の徹底を心がけましょう。報連相はビジネス上のコミュニケーションにおいて最も基本的なことであり、具体的には報告・連絡・相談のことです。
社内プロジェクトを前提にすると、上司やクライアント、メンバーなど仕事の関係者に対して行うべき報告・連絡・相談はそれぞれ次のとおりです。
- 報告:プロジェクトの進捗状況を伝えること
- 連絡:プロジェクトにおける情報や予定を伝えること
- 相談:プロジェクトに伴う疑問点の解決を図ること
仮に報告が十分でないと、上司はプロジェクトの進捗をうまく管理することができません。結果として、プロジェクト全体の進捗が遅れるなどの悪影響が生じる可能性もあります。
また、連絡が十分でないと、上司は「知らなかった」ことが原因で誤った指示を出すかもしれません。相談が十分でないと、わからないまま仕事を進め、結局やり直しになってしまったなどのケースも想定できます。
「できている」と思っていても、客観的に見るとできていない場合もあります。ぜひ基本を見直し、報連相ができているか確認してみてください。
特徴2:タスク管理ができない
タスク管理ができないことも、40代で仕事ができない原因の1つとして挙げられます。タスク管理は、仕事を効率的に進める上で欠かせないスキルです。
極端ですが、やるべきことを理解していない場合にはタスク管理がまったくできていないと言えるでしょう。上司から頼まれた仕事を「忘れていました」と言ってしまう状況です。
一方、「タスク管理ができている」とは、やるべきことを網羅しており、期限や重要性に応じた優先順位が付いている状況です。
解決策:始業前に今日のタスクを整理する
タスク管理をできるようにするためには、まず始業前に今日のタスクを整理することから始めてみましょう。
タスクはできる限り細分化するのが理想と言えますが、午前中にAとBを、午後にCとDに着手するといった簡単な方法でも良いです。
タスクを整理した上で仕事を進められると、タスクを把握していなかったときよりも仕事のスキルに自信が付くはずです。ただし、今日のタスクを整理しているだけでは満足できません。
例えば、当日ではなく前日の終業時にタスクを整理するようにしたり、1日に処理できるタスク量を増やしたりすることにもチャレンジしてみましょう。
特徴3:新しいことを勉強する意欲がない
新しいことを勉強する意欲がない人は、「仕事ができない人」と考えられても仕方がありません。
なぜなら、習得すべきビジネススキルは無限にあり、必要なスキルを自ら習得する意欲がない人は成長が見込めないからです。
勉強意欲の差は年収にも現れます。実際、40歳以上で年収1,800万円以上と年収600万円代のそれぞれ500人に調査した結果によると、収入が高い人は圧倒的に勉強量が多いことがわかっています。
つまり、入社時に大きな年収の差はなくても、勉強量の違いで40歳以上での年収に3倍もの差が出ているということです。
そこで、40代の社外学習実施率について実態を見てみましょう。株式会社パーソル総合研究所の「働く10,000人の就業・成長定点調査」によると、40代の社外学習実施率は50.2%でした。
しかし、「今さら勉強を始めても遅い」と考えたり、「目先の仕事が忙しくて勉強をする暇がない」と考えたりする人もいます。このような場合の対策を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
解決策:隙間時間で勉強する習慣を作る
結論、40代で目先の仕事に追われている場合でも、隙間時間を有効に活用して勉強する習慣を作ることがおすすめです。
勉強を始めるのに遅すぎることはありませんし、毎日10分だけの積み重ねでも、1年間で約60時間になります。
勉強する習慣をつけることで、スキルアップが可能です。そのスキルアップによって年収を上げることができれば理想的と言えます。
特徴4:物事を素直に受け入れられない
周りの意見など、物事を素直に受け入れられない人も仕事ができない人と捉えられがちです。なぜなら、周りの意見は、自分では気付くことが難しい大切な意見だからです。
自分では「できている」と思っていても、周りからは「できていない」と思われている場合、それには必ず理由があります。その理由を聞き、自分を成長させる貴重な意見として受け入れるべきです。
周囲の意見を素直に受け入れられないのであれば、このような貴重な成長機会を逃していることになります。
解決策:一度周りの意見に耳を傾けてみる
物事を素直に受け入れられないことに対する解決策は、前述した内容を理解し、一度周りの意見に耳を傾けてみることです。
しかし、これまで周りの意見に耳を傾けてこなかったわけなので、簡単にできることではありません。そのため、周りの意見を聞いた直後には受け入れられなくても、例えば1日経ってから考え直してみると良いでしょう。
特徴5:なんでも他人のせいにする
仕事ができない人の特徴として、なんでも他人のせいにしてしまうことが挙げられます。しかし多くの場合、「自分は他人のせいになんかしていない」と考えているようです。
一度、「自分は他人のせいにしてしまっていないか」とよく考えてみましょう。前提として、自分の行動は変えられますが、他人の行動を変えることは難しいです。
なんでも他人のせいにしていても、状況が良くなることはほとんどありません。
解決策:まずは自分に原因がないかを探ってみる
なんでも他人のせいにしてしまうことの解決策は、前述したように、まずは自分に原因がないかを探ってみることです。意識して探ってみることで、他人のせいにしてしまう癖を抑えられるでしょう。
特徴6:他の人に仕事を任せられない
他の人に仕事を任せられないことも、仕事ができない人の特徴です。仕事を任せないことによって、具体的にどのような問題が生じるかというと次のとおりです。
- 自分が捌ける仕事の量を把握しておらず、結局仕事が遅れてしまう
- 自分がいないと仕事が回らないと思い込んでしまう
前者は、仕事を抱え込みすぎて遅れてしまう問題です。後者は、組織からすると仕事が特定の個人に依存(属人化)してしまう点が問題と言えます。
仕事を遅らせないようにすることはもちろん、「自分がいなくても組織が困らないようにする」ためにも、他の人に仕事を任せることは重要です。
解決策:難易度の低い仕事を他の人に振ってみる
他の人に仕事を任せられない場合は、難易度の低い仕事から他の人に振ってみることです。
最初は「自分がやったほうが早いのに」と思うこともあるでしょう。しかし、チーム視点、また長期的に考えることも重要です。
特徴7:今の仕事が自分に向いていない
今の仕事が自分に向いていないため、現状は仕事がうまく進められないという場合もあるでしょう。
実際、「異動後は社内で良い成績を出すことができた」という人や、「転職してから年収が上がった」という人もいます。
すぐに「今の仕事は向いていない」と決めるのは早いかもしれませんが、例えば3〜5年ほどやってみて向いていないと思ったら、異動や転職を検討してみても良いでしょう。
解決策:部署の異動を検討する
前述したように、今の仕事が向いていない場合の解決策は、異動や転職です。とはいえ、今の仕事が向いていないから他を探すという消極的な理由だけでは失敗する可能性があります。
理想としては、「もっと自分が活躍できる場所はないか」を探す状態であると良いでしょう。そのためには、もう一度自分のスキルや経歴を棚卸ししてみることをおすすめします。
仕事ができない40代と付き合うときの3つのポイント
ここでは、仕事ができない40代と付き合うときのポイントを3つ紹介します。部下や同僚との付き合い方に困っていれば、ぜひ参考にしてみてください。
- 仕事上の長所を見つける
- 相手の言動を一度受け入れる
- 一定の距離を保って仕事をする
仕事上の長所を見つける
「仕事ができない」と評価している人であっても、長所があるはずです。まずはその長所を見つけるようにしてみましょう。
例えば、「動きや判断が遅い」と評価している部下は、実は「仕事に慎重でミスが少ない」という長所があると考えられます。
このように長所を見つけることで、これまでのイライラが緩和するかもしれません。また、長所を見つけようとすることで、これまで見逃していた長所を見つけられる可能性もあります。
相手の言動を一度受け入れる
相手の言動を一度受け入れることも重要です。いくら現状の自分とは異なる意見や言動であっても、自分の考えが正しいとは限りません。
そのため、相手の言動を最初から否定するのではなく、一度受け入れようと努力することが重要です。
一定の距離を保って仕事をする
円滑に仕事を進めるためにはコミュニケーションを取ることが重要です。しかし、場合によっては一定の距離を保って仕事をしてみても良いでしょう。
距離が近すぎることで、その人に対して感じている「イヤなこと」も目立ってくるからです。距離を保てば以前より気にならなくなるかもしれません。
その人ともう関わらないようにするのは極端なことで現実的に難しいですが、必要以上にコミュニケーションを取らないようにしても良いのです。
40代で転職を考えるときのポイント
今の仕事が自分に向いていない場合、異動や転職を検討するのも1つの手です。そこで、仕事ができなくて辞めたいと考えている40代に向け、転職を検討するときのポイントを紹介します。
- 自身のキャリアの棚卸しをする
- 40代の転職市場を把握する
- 転職サイトに登録して求人情報をチェックする
- 転職エージェントに相談する
自身のキャリアの棚卸しをする
転職を考えるとき、まず行うべきことは自身のキャリアの棚卸しです。具体的には、これまで自分は何をやってきたのか、どのような強みがあるのかなどを明確にします。
仕事ができないと悩んでいるのであれば、改善すべきポイントを挙げたり、あるいはやりたくない仕事を挙げても良いでしょう。きれいな文章ではなく箇条書きで良いので、まずはキャリアの棚卸しを実践してみてください。
40代の転職市場を把握する
自身のキャリアの棚卸しがある程度終わったら、40代の転職市場を把握してみましょう。
一般的に、20代や30代と比べて40代の転職市場は厳しい現状にあります。具体的にどう厳しいかと言うと、求人数自体が少ないことや、即戦力としての活躍が期待されることなどが挙げられます。
まず、厚生労働省の「令和2年雇用動向調査」によると、年齢階級別の入職率と離職率(男性)は下図のとおりです。
40代や50代は、特に仕事を辞めたり、就職(転職)したりする人は少ないことがわかります。
さらに、厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」によると、転職者の採用理由は、管理的な仕事、専門的・技術的な仕事において、「経験を活かし即戦力になるから」が最も多い結果となりました。
つまり、40代で転職する人は比較的少なく、転職する場合も経験が求められることが多いということが特徴です。
そのため、単に「仕事ができない」という理由だけでは、40代での転職は難しいでしょう。もっとも、キャリアの棚卸し後、経験のある分野で活躍したいと考えていたり、意欲や積極性があったりする場合には、40代からの転職もおすすめできます。
転職サイトに登録して求人情報をチェックする
転職を検討しているのであれば、転職サイトに登録して求人情報をチェックしてみましょう。40代の転職市場を把握するためにも、転職サイトで情報収集することが重要です。
さらに、転職サイトで情報収集をしていると、どのようなことが求められているのかという一般的な傾向を把握できます。転職を検討している間にも、可能な限りスキルアップに励めると良いでしょう。
転職エージェントに相談する
一般的な転職サイトだけでなく、転職エージェントに相談してみることも検討しましょう。転職エージェントに相談することで、より客観的に自分に合った情報を取得できます。
また、転職エージェントには転職活動で生じた不安や疑問も相談可能です。自分ひとりだけでは難しい転職活動も、転職エージェントからの後押しを得ることで、希望条件に合う転職が可能となる場合もあります。
転職エージェントは無料で利用できることが一般的ですので、費用面で損することはありません。ぜひ転職時には転職エージェントを利用・活用してみましょう。
まとめ
40代で仕事ができない人の特徴や解決策を紹介してきました。
仕事ができないと感じても、なぜ仕事ができないのかは人それぞれ異なります。「自分は仕事ができない」とネガティブになるだけでなく、今後どのようにすべきなのかを考え、着実に実行していくことが重要です。
ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、自分のキャリア自律につながる一歩を踏み出してみてください。