キャリアプランの重要性が増しています。新卒から転職まで、面接ではキャリアプランが評価ポイントのひとつとして重視されています。また、社内面談などでもキャリアプランが問われる機会が増加してきているでしょう。

今まで企業に委ねられていた私たちのキャリア形成は、今「個人が主体的に考えるもの」に変化しつつあります。あわせて一人ひとりがキャリアプランを明確にし、逆算してキャリア形成をしていくことが求められます。

一方で自分の将来を想像できず、キャリアプランが思いつかない人も少なくなく、この記事をご覧のみなさんもキャリアプランがない現状に悩んでいるのではないでしょうか。

この記事では、キャリアプランが思いつかないときの対処法や、考え方の具体的なステップを解説します。キャリアプランを相談できるサービスも紹介しているので、参考にしてください。

この記事の監修:勝田健氏
スタートアップ企業に特化した転職エージェントに従事。大手VCと連携し、累計約100名のCxOポジションに紹介実績あり。転職エージェント歴22年。スタートアップ業界の豊富な人脈(VC・起業家・CxO)と知見が強み。個人の「WILL」をベースとしたキャリア支援実績は累計2000名以上。スタートアップ企業の採用支援経験を活かし、自らも複業(結婚相談所・採用コンサルティング・新規事業起ち上げ支援)を実践。幅広い業界・サービスのビジネスモデルを熟知。

記事の目次

キャリアプランとは|重要になる「キャリア自律」

キャリアプランは、「自分の将来の理想像を明確にし、理想の実現を目指して構築された具体的な行動計画」を指します。デジタル化が進み、働き方も変化する今、社会の移り変わりを理解して逆算してキャリアプランをつくっておくことが重要です。

転職が当たり前になり、複業(副業)に従事する人が増える今、ひとつの企業でキャリアを築く人は減少しつつあります。働き方の多様化が進む中で、自分がどのような軸に、どのような経歴を歩めばいいのかを考える長期的な計画がキャリアプランです。

また、単なる壮大で長期的なプランだけでは、具体性がありません。獲得したい知識やスキルもあわせて、具体的に描かれたキャリアプランであれば、面接時などに深堀りされたときにも冷静に対応できます。

キャリアプランを考える上で重要なのが「キャリア自律」の考え方です。キャリア自律とは、企業に頼らずに、自分のキャリアを主体的に考え、キャリア形成に取り組んでいる状態を指す言葉です。

現在、人生100年時代に突入すると同時に、定年のさらなる延長が予想され、終身雇用制度は崩壊しつつあります。以前までは、企業が労働者を長期的に雇用する方針が一般的でした。しかし、近年は経済状況の悪化により終身雇用を維持できず、経営が苦しい企業は多くの社員をリストラするケースも生まれています。

その結果、社員側の意識も変化しています。マイナビ転職の調査によると、2020年度の新入社員のなかで今の会社で定年まで働くと考えている人は約2割に満たない結果となりました。キャリアの主体は「企業」から「個人」に変わっているのです。

ビズリーチの調査によると、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、自身のキャリア観に変化があった人は約6割でした。また、9割近くの人が「自律的なキャリア形成」が必要と回答しています。

キャリアプランをつくる上でも、キャリア自律の重要性を理解し、主体的にキャリアを築けるようなプランニングが重要になっています。

>>関連記事キャリア自律とは|実現に向けた5ステップから企業事例、メリットまで網羅

キャリアプランを思いつかない原因

キャリアプランの重要性が高まりつつある中、多くの人がキャリアプランが思いつかない現状に嘆いています。

アデコの調査によると、将来に向けたキャリアプランを具体的に描けている人は男女ともにおよそ1割です。キャリアプランをつくれないのはあなただけではありません。

では、多くの人は、なぜキャリアプランを思いつかないのでしょうか。その原因を解説していきます。

完璧なプランを作ろうとしている

完璧主義な人ほどキャリアプランは思いつきません。キャリアプランを作る際、「失敗のないように作ろう」「具体的に書こう」と考える人が多いでしょう。しかし、完璧なキャリアプランを作ることにこだわりすぎると、なかなか完成しないのが現実です。

現代では、デジタル技術の進化により、私たちの働き方が急激に変化しています。今の当たり前は5年後には当たり前ではなくなっているかもしれません。完璧なキャリアプランに固執していても、そのキャリアプラン自体が時代遅れになってしまう可能性があります。

最初から完璧なキャリアプランを目指すのではなく、まずは気軽に数年後や近い未来に実現したいことから考えてみましょう。「いつでも変えていい」と気楽に考えることも重要です。

自己理解が足りていない

キャリアプランをつくる上で「自己理解」は必要不可欠です。

キャリアプランをつくる上で重要なのは「自分がどうありたいか」の軸です。自分を理解できていないと、軸がない表面的なキャリアプランになってしまいます。

自分の価値観などマインド面から、スキルや知識などのハード面まで自己理解を深め、さらにどのような姿を実現したいのかを明確にしておきましょう。

逆算思考がない

キャリアプランで重要なことは「実行」です。キャリアプランを実行するには、長期的なプランから逆算する思考が重要です。

逆算思考があれば、大きな目標に対して小さな目標を作り、「今やらなければならないこと」が見えてきます。ただプランをつくるだけでなく逆算して、どのような行動をとればいいのかを考えるようにしましょう。

面接官によるキャリアプランのチェックポイント

面接は、最もキャリアプランが問われる機会です。面接対策としてキャリアプランを考えている人も多いでしょう。ここでは、面接官によるキャリアプランのチェックポイントをご紹介します。

キャリアプランを通して得られるスキルや知識が自社で役立つか

企業にとって重要なのは、候補者が入社後にスキルや知識を発揮してくれるかどうかです。単なるキャリアプランではなく、今までに蓄積したスキルや知識が自社で生かされるのか、入社後に得たいスキルや知識が自社にとって有用なのかを面接官はチェックしています。

自社のポジションでキャリアプランが実現できるか

面接官は、入社後、モチベーション高く長い期間に渡って活躍してくれるかどうかの視点で候補者をチェックしています。そこで面接時にキャリアプランについてしっかりと深堀りし、そのキャリアプランがしっかりと実現できるポジションを提供できるのかを評価ポイントに入れることも多くなっています。

軸がしっかりあるキャリアプランかどうか

キャリアプランをつくる上で重要なのは、キャリアプランにしっかりとした軸があるかどうかです。軸がない表面的なキャリアプランでは、場当たり的なキャリアプランであると評価されます。

実現したい社会など、軸が通ったキャリアプランかどうかは、派生した質問への対応などに表れます。また、キャリアプランの一つひとつの要素がバラバラになってしまい、面接官にキャリアプランを具体的に伝えられません。

軸がしっかり通ったキャリアプランをつくることを意識しましょう。

キャリアプランについて面接時によく聞かれる質問

面接時には、キャリアプランについて以下のような質問がされます。

  • 5年後(10年後)の理想の姿を教えてください。
  • 将来の目標は何ですか?
    ビジョンを教えてください。
  • キャリアパスをどのように考えていますか?

キャリアプランについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

>>関連記事キャリアプランとは | メリットから必要な背景、作り方まで完全網羅

面接でキャリアプランを伝える際の3つのポイント

面接でキャリアプランを聞かれることを想定しても、どのような回答を準備すればいいか分からない方もいるはずです。ここでは、キャリアプランを伝えるときの3つのポイントを解説します。このポイントを押さえて、面接官を納得させられるような回答をしましょう。

活かせるスキルや知識を紐付けて伝える

面接官は、自社で活躍してくれる人材かどうかを見極めたいため、面接で、ただ単に長期的なキャリアプランを語るだけでは不十分です。キャリアプランのもと、今までにどのようなスキルを得てきたのか、どのような知識を蓄積してきたのかを、あわせて伝える工夫が重要です。

企業が求める人物像を意識しながら伝える

自身のキャリアプランと、企業が求める人物像に乖離があれば、面接で評価が低くなります。もちろん、嘘をついて架空のキャリアプランを面接時に話すのは適切ではありません。

事前に、自身のキャリアプランとマッチした求人なのかをチェックし、どのようにマッチするのかを伝えられるように意識しましょう。

将来目指す方向性や、働き方などを伝える

将来的にどのような人物になりたいのか、そのためになぜその企業に入社する必要があるのか、目指す方向性をしっかりと伝えましょう。自身のキャリアプランの延長線上に、その会社のポジションがあれば、面接官は、あなたが自社にマッチした人材と認識してもらいやすくなります。

スキルや知識などの短期的な内容と、将来目指す姿などの長期的な内容をしっかりと使い分け、的確に面接官に伝えられるように工夫しましょう。

キャリアプランをつくる7つのステップ

キャリアプランをつくるときは、どのような点を意識するとよいのでしょうか。今回は7つのステップに分けて解説していきます。キャリアプランが思い浮かばない人は、参考にしてください。

将来像を具体化する

キャリアプランをつくるためには、まず将来像を具体化していきましょう。自分が将来どのような人物になりたいのか思い浮かべる必要があります。

将来像が思いつかないときは、ロールモデルを探すのがおすすめです。自分と似たような経歴を持ち、価値観が似ている人物を探しましょう。ロールモデルを見つけることで、自分の将来像を明確に想像しやすくなります。

自己分析をする

キャリアプランをつくる上で、自己分析は欠かせません。自分を深く知ることで、自分の長所やスキルを活かせる場所が探しやすくなったり、理想とする生き方が発見できたりします。

自己分析を通して以下の項目に答えられるとよいでしょう。

  • 長所・短所
  • 仕事観
  • 転職理由
  • 今まで経験してきたこと

これらを認識することで、自己理解が深まります。

現状と将来像のギャップを把握する

自己分析をした後、現状と将来像のギャップを把握する必要があります。成し遂げたい目標があっても、現状と将来像が乖離したままでは目標を達成できません。

なりたい自分になるためにはこれまでの経験や知識、スキルなどを棚卸し、何が不足しているのかを考えましょう。

マイルストーン(小さな目標)を決める

マイルストーンを決めることで、目標に向けて計画通りに進んでいるか確認できます。マイルストーンとは、プロジェクトがどこまで進んでいるか確認するポイントです。「大きな節目」や「経過点」、「中間目標点」といった意味合いで使われます。

マイルストーンを決めるときは、数日や数ヶ月、1年や2年といった短い期間で設定していきましょう。短期目標を計画通りに達成できると自信につながります。成功体験を繰り返して自信を持てるようになることで、長期的な目標を達成できるのです。

達成するまでの時間(期間)を計算する

キャリアプランを考えるときには、達成するまでの時間を逆算して計算する必要があります。自分が理想とするキャリアは短期的に達成する目標なのか、長期的に達成する目標なのか考えましょう。

長期的な目標の場合、目標を達成するためには特定の職業に就いたり昇進したりするなど、さまざまな経験をしないといけない場合があります。

1年後には〇〇の経験、3年後には〇〇の経験を積むなど、達成するまでにはどれくらい時間が必要なのかを把握しておきましょう。

自分のキャリアプランを俯瞰する

キャリアプランをつくる上では、自分のキャリアプランを俯瞰する視点も大切です。目標とするキャリアは具体的であるか、実現可能かなど客観的に見なければなりません。

目の前の仕事に集中すると、「自分の仕事が何に繋がっているのか」「会社がどこに向かっているか」を忘れ、狭い視野で仕事をしてしまいます。

今取り組んでいる業務の意味を理解し、俯瞰的な視点を身につけることで、キャリアを築いていけるのです。

実際に行動しアップデートする

キャリアプランをつくった後は、実際に行動に移し、その都度アップデートしていきましょう。社会情勢の変化が多い現在、目標を決めてキャリアプランを設定しても、設定した通りに完璧に進むことはありません。

実際に行動に移すうちに新しく挑戦したいことも出てきます。長期的な目標を定めつつも、短期的な目標は臨機応変に対応しPDCAを回していきましょう。

【年代別】キャリアプラン作成のポイント

ここでは、年代別のキャリアプラン作成のポイントをお伝えします。キャリアプランが思いつかないという人は参考にしてみてください。

新卒

多くの場合、新卒はまだスキルや知識が蓄積されていません。だからこそ、まっさらな白紙の状態で、吸収の余地が多く、さまざまな方向を選択できるチャンスがあります。しかし、さまざまな方向性を選択できるからこそ、キャリアプランの軸を決めて動き出さなければ、時間が無駄になってしまいます。

研修や業務を通して、自分のキャリアの方向性を探す感覚を持つことが重要で、ときには目指す姿(軸)をとりあえず決めてしまうのも重要でしょう。また、方向性を縛ったり、固執しすぎず、大きな的を見据え、柔軟なスタンスで、いつでもキャリアプランを変更できる考えを持ちましょう。

また、新卒からの働き方で重要なのは、どんな業務にも活かせる社会人としての基礎的なスキルの獲得です。デジタル技術やデータを使いこなす技術や、課題を特定して解決策を立案する力など、どんな職種でも必要なスキルをしっかり高められるように意識しましょう。

20代後半〜30代

20代後半では、ある程度の経験を積み、次の段階の成長を模索しているときでしょう。20代後半は、まだ長いキャリアの序盤です。主に以下の方向性があるでしょう。

  1. 今の企業でマネージャー職を目指し、マネジメントスキルを得る
  2. プロフェッショナルとして、転職や副業(複業)を通してスキルの有用性を高める
  3. 新しい挑戦として未経験で転職する

20代後半から30代にかけては、自分のライフプランにもあわせ、いくつかの選択肢が出てきます。

①のパターンでは、マネジメントスキルを獲得し、今働いている企業内で昇進していくことを目指していく方向性です。②では今までの経験を活かし、転職や複業(副業)を通して、自身のスキルや知識の再現性を高め、市場価値を高めていく方向性です。

今まで得たスキル以外に新しくやりたいことがあれば③を選択し、未経験で転職を検討するのも良いでしょう。③を選択する場合でも、それまでに得たベースとなるスキル(ポータブルスキル)は無駄になりません。

40代〜50代

早期退職の募集なども活発化し、ミドルキャリア世代の40代〜50代も、新しい働き方の選択が迫られるようになっています。

現在、40代〜50代の方の多くはひとつの企業でキャリアを積み重ねてきた人も多くなっています。近年の働き方の多様化やデジタル技術の急発展の波に飲まれ、今後のキャリアプランづくりに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

40代〜50代でキャリアプランを作成する際には、これまでの経験を分解し、得たスキルや知識は何かをしっかりと理解する工夫が大切です。また、40代の多くは子供が大きくなり、家族を支える責任も伴います。転職を検討する際にも、自己分析のうえで余裕をもってマッチする企業を探すスタンスが大切です。

また、今までに蓄積したスキルを活かし、転職ではなく、副業(複業)ベースで仕事をはじめてみることもおすすめです。

どのパターンでも、新しく物事を始める前に、自分の経験を分析し、活用できる方向性を模索するスタンスが重要といえます。

キャリアプランを思いつかないときの3つの対処法

転職活動や社内でのキャリア面談を前にして、キャリアプランが思いつかない場面もあるかもしれません。キャリアプランが思いつかないときは、以下の対処法を実行してみましょう。

ライフプランから考える

キャリアプランが思いつかないときは、プライベートでやりたいことから考えてみるのもよいでしょう。

例えば「車を購入したい」といった目標があれば、どのタイミングでどのくらい資金が必要なのか考えなければなりません。必要な資金から逆算することで、自分が目指す年収の目安もわかります。

「40歳で年収◯◯万円になる。そのためには〇〇の経験を積む必要がある。」と考えることで、キャリアプランを作れるのです。プライベートでやりたいことを思い浮かべてみると、ライフプランから逆算してキャリアプランを考えられます。

選択肢の幅を広げる

キャリアプランが思いつかないときほど、自分自身で選択肢を狭めている可能性があります。転職にこだわらず、副業(復業)や独立も選択肢の一つと考えて、選択肢の幅を広げましょう。

今までの経験を生かして新しく副業をはじめてみたり、独立を視野に入れて起業セミナーに参加したりすることで、新たな可能性が見えてきます。

さまざまな活動に取り組む中でキャリアプランを思いつくこともあるため、転職にとらわれず、気になる分野があったら積極的に挑戦しましょう。

やりたくないことをリストアップする

やりたくないことをリストアップすると、キャリアプランの参考になる場合もあります。

モチベーションはやりたいことだけではなく、やりたくないことを避けるときにも働きます。以下、やりたくないことをリストアップする際の一例です。

  • 満員電車に乗りたくない
  • ムダなことに時間を割きたくない
  • 残業ばかりの職場で働きたくない

やりたくないことをリストアップすることで、「これだけはやりたくない!」といった目標ができます。その結果、やりたくないことを避けるためのキャリアプランを思いつくのです。

キャリアプランを思いつかないときに相談するべき相手は?

キャリアプランが思いつかず、一人で悩んでしまっている人は、第三者に相談するのもよいでしょう。第三者の意見を取り入れることで、新たな発見があるかもしれません。

ハローワークや各自治体が運営する公的機関

求職申込の手続きをすると、居住地に関わらず全国のハローワークを利用可能です。ハローワークでは、正社員や派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなどさまざまな雇用形態の求人をまとめて閲覧できます。

窓口で、相談員とやりとりしながら求人の提案をしてもらえたり、履歴書の書き方や面接対策をしてもらえたりします。

希望職種に資格が必要な場合は、資格取得の公的職業訓練も紹介してもらえます。事務やIT、介護やデザインなど幅広い業種のサポート体制があるのです。

また、雇用保険や助成金の支給に関する手続きなどもハローワークでできます。ハローワークを有効活用することで、新たなキャリアプランを見つけられるのです。

人材紹介会社のサービス

転職活動を視野に入れてキャリアプランについて相談したい人は、人材紹介会社のサービスを利用するのもおすすめです。

人材紹介会社のサービスで代表的なのはリクナビやマイナビ、エン・ジャパンなどです。その他新卒採用や転職、アルバイト、専門職種などに特化したサービスがあります。

人材紹介会社に在籍するキャリアアドバイザーは、転職サポートに関するサービスを提供するだけではなく、キャリア相談にも乗ってくれます。

キャリア相談をするキャリアアドバイザーは、自分の経歴や自分が目指すキャリアに近しい人に相談するとよいでしょう。自分と近しい第三者に相談することで、客観的な意見をもらえます。

社内面談

今の会社でのキャリアプランを考えたいなら、会社の上司に相談するのがおすすめです。上司に相談することで、普段の仕事ぶりを見た上で的確なアドバイスをしてくれる可能性があります。

可能であれば、中途入社の上司に相談するのがよいでしょう。転職経験がある上司に相談することで、転職経験を踏まえたアドバイスがもらえるかもしれません。

【職種別】キャリアプランの具体例

キャリアプランは、職種ごとに大きく異なります。ここでは以下3職種を抜粋し、職種別のキャリアプランについて解説していきます。

  • 営業
  • 人事
  • エンジニア

営業

営業のキャリアプランは企業規模や業態によっても異なるため、多岐に渡ります。営業職の種類もさまざまで、以下が代表的な例です。

  • 法人営業
  • 個人営業
  • 新規営業
  • ルート営業
  • 内勤営業(インサイドセールス)
  • 外勤営業(アウトサイドセールス)

これまでデータ分析やマーケティングに関わってきた人が、内勤営業(インサイドセールス)として活躍するケースも見られます。また、個人営業として経験を積んできた人が、法人営業に転向するケースも少なくありません。

今まで培ったスキルを生かして「どのような商材を売りたいのか?」と考えることで、自分が営業として活躍できる企業が見えてきます。

営業のキャリアプランの一例として挙げられるのが、所属する部門のリーダーになるキャリアです。数年間、自社の商品や商材の知識を身につけて問題解決能力を鍛えながら行動量を重ねることで、結果を出せる人材になれます。

結果を出すことでノウハウを人に伝えられるレベルになり、新人指導に携わる機会も出てくるのです。指導に興味があったり、自分の知識を共有したいと考えたりすることに興味がある人は、部門リーダーのキャリアを目指してみるのもよいでしょう。

人事

人事のキャリアプランは主に2パターンです。1つは業務経験を積み、人事のスペシャリストとして活躍するキャリアです。人事には主に以下の4つの役割があると言われています。

  • 採用業務
  • 労務管理
  • 人材育成
  • 人事制度策定

人事部全体の業務を経験して専門的な知識とスキルを身につけることで、人事部長としてのキャリアが見えます。

人事部長になりたい場合は、5年、10年先を見据えて経験を積んでおくのがよいでしょう。1年目〜3年目で採用業務、4年目〜6年目で人事制度の経験を目標にすることで、人事部長として必要なスキルを網羅的に学べます。

2つ目のパターンは人事だけでなく経理や総務、法務など幅広い業務を担当し、バックオフィスのゼネラリストとして活躍するキャリアです。

中小企業やベンチャー企業では、複数の業務を兼任することが多くあります。このような企業は管理部門の人数が少ないため、バックオフィス全般の知識やスキルを身につけた人事は非常に重宝されるのです。

エンジニア

エンジニアのキャリアプランは、大きく分けると主に3パターンです。

  • 技術職を極めた専門性の高いスペシャリスト
  • 幅広い業務を担当するゼネラリスト
  • チーム全体をマネジメントする管理職

エンジニアは技術職のため、技術力が高かったり領域に特化したりしているエンジニアは、スペシャリストとして市場価値を高めるのがよいでしょう。コミュニケーション能力を生かし、顧客折衝するのが好きな人は、ゼネラリストとして活躍するのがおすすめです。

部下をまとめたり、チーム全体をまとめたりすることにやりがいを感じる人は、管理職としてマネジメントに携わるのもよいでしょう。

上流工程に携わるエンジニアになるためには、常日頃から新しい知識や技術を吸収し続けましょう。既存の技術だけでなく新しい知識や技術を吸収していくことで、幅広いスキルが身につきます。

幅広いスキルが身に付くとさまざまなプロジェクトに対応できるため、上流工程に携われる機会も増えてくるのです。

 <有料>おすすめのキャリア相談サービス4選

ここからは、おすすめのキャリア相談サービスについて紹介します。まずは有料のサービスです。目的や利用頻度に合わせてキャリア相談サービスを選びましょう。

ライフシフトラボ

運営会社株式会社ブルーブレイズ
対象(年代・性別)・誰でも受講可(プログラムは40代以上の方々を想定)
・利用者は男性56%、女性44%
料金体系(コース名)お客様の状況や希望に応じて最適なプランをご案内
サービスの特徴・40〜50代向き
・複業を足がかりにキャリア自律を叶える支援をおこなう

ライフシフトラボは、複業を通じて転職や独立起業、定年後のセカンドキャリアなど、キャリア自律を目指すオンラインビジネススクールです。

人材業界に精通したキャリアコーチからマンツーマンでサービスを受けられます。受講者の複業デビュー率は95%と高く、60日間で複業デビューを目指すのが特徴です。

POSIWILL CAREER

引用:POSIWILL CAREER
運営会社ポジウィル株式会社
対象(年代・性別)20代〜30代の男女
料金体系(コース名)・330,000円(税込)+入会金55,000円(税込)(キャリアデザイン)
・495,000円(税込)+入会金55,000円(税込)(キャリア実現)
・660,000円(税込)+入会金55,000円(税込)(キャリア実現プラス)
・660,000円〜(プレミアム)
サービスの特徴・転職を前提としない相談も可能
・45分間の初回カウンセリングが完全無料

POSIWILL CAREERは、専属のトレーナーが、キャリア設計のサポートをするパーソナル・トレーニングサービスです。20〜30代の受講者数が日本で1番多いのが強みです。

転職サービスとは異なり求人は紹介されません。取引先企業の利益に注力したサポートではなく、キャリアの意思決定のサポートを目的としたサービスを受けられます。

マジキャリ

引用:マジキャリ
運営会社アクシス株式会社
対象(年代・性別)20代〜30代
料金体系(コース名)・275,000円(税込)(キャリアデザインコース)
・440,000円(税込)(自己実現コース)
・660,000円(税込)(自己実現moreコース)
サービスの特徴・年間3,000名の転職支援実績に基づいた独自カリキュラムを使用
・豊富な経験をもつ20~40代のキャリアコーチが在籍

マジキャリはキャリアコーチングサービスです。マジキャリを運営するアクシス株式会社は、転職メディア・YouTubeチャンネルの「すべらない転職」も運営しています。

心理学やコーチングの理論をもとに、自己分析に役立つ独自カリキュラムを作成しています。「今後のキャリアプランが決まっていない」「やりたいことがわからない」といった悩みを抱えた人におすすめです。

ミートキャリア

運営会社株式会社fruor
対象(年代・性別)20代〜50代の男女
料金体系(コース名)・12,639円/1回(オンラインキャリアカウンセリング)
サービスの特徴・オンラインだけでなくメールを使ったコーチング
・60名を超える多様な経験を持ったキャリアサポーターがいる

ミートキャリアでは、キャリア形成を図りたいと考える子育て中の方を中心にサポートしています。個人のキャリアカウンセリングだけではなく、自己分析や多様な働き方のヒントとなるイベントなどを開催しています。

 <無料>おすすめのキャリア相談サービス3選

次に、無料で受けられる3つのサービスを紹介します。無料のキャリア相談サービスの種類はさまざまです。自分にとってよりよいキャリア相談サービスを利用しましょう。

キャリア形成サポートセンター

運営会社株式会社パソナ(厚生労働省より受託)
対象(年代・性別)年齢問わず
サービスの特徴・「個人(在職者)の方」「企業・団体の方」「学校関係者の方」を対象にキャリア形成支援をおこなう
・ジョブ・カードを活用した支援

キャリア形成サポートセンターでは、キャリアコンサルティングを通して一人ひとりに寄り添い、キャリア形成のサポートをします。また、セルフ・キャリアドックの導入や雇用型訓練などの支援を通して、企業の悩み解決も可能です。

東京しごとセンター

引用:東京しごとセンター
運営会社公益財団法人東京しごと財団(東京都から受託)
対象(年代・性別)年齢問わず
サービスの特徴・ヤングコーナー(29歳以下を対象)、ミドルコーナー(30歳から55歳までを対象)、シニアコーナー(55歳以上対象)がある
・専門相談(職業適性検査・相談、多様な働き方相談、社会保険・年金相談、起業創業相談)が可能(予約制)

東京しごとセンターは、東京都が都民の方の雇用や就業を支援するために設置したワンストップサービスセンターです。民間の就職支援会社やハローワークが一体となって、求職者のニーズに対応したサービスを提供しています。

リクルートキャリアコンサルティング

運営会社株式会社リクルートキャリアコンサルティング
対象(年代・性別)年齢問わず
サービスの特徴・サポートオフィスが全国で47都道府県展開
・83%の方が6ヶ月以内に再就職

リクルートキャリアコンサルティングでは、リクルートのノウハウを活用し再就職の支援をします。大手転職エージェントだけでなく、特定の業界や職種に特化した中小の転職エージェントなど、約400社の転職エージェントと提携しているのです。

また、職務経歴や希望条件を登録するだけで、スカウトが受けられるサービス『SETTWEB』を提供しています。

まとめ

キャリアプランが思いつかないときの7ステップを解説してきました。逆算思考を持ってキャリアを考えることで、納得のいくキャリアプランがつくれます。

終身雇用制度の変化とともに、自身のキャリアについて見直す人が増えました。理想とするキャリアプランを叶えるためには、自身が主体的に考えていかなければなりません。

キャリアプランは将来像を具体化し、短期的で小さな目標から達成することで、中長期の大きな目標を達成することが可能になります。

キャリアプランを思いつかない人は、キャリア相談サービスを利用するのもおすすめです。有料・無料問わず、自分に合ったサービスを活用していきましょう。