国税庁が2020年に実施した調査によると、正規雇用者の平均給与は433万円で、ここ10年ほど大きな給与変化はありません。勤続年数が長いほど給与が高くなる年功序列制度にも陰りが見え始め、私たちの働き方は転換期を迎えました。

一部の大手企業では早期退職者を募り、若手社員は実力を活かして次々と転職する時代です。このまま先の見えない今の会社で働き続けるのか、それとも思い切って転職した方がいいのか、悩んでいる40代の方も多いのではないでしょうか。

今回は、40代の賃金や年収の現状をお伝えしながら、転職で年収アップが可能なのか考えていきます。ご自身のキャリアやこれからの働き方の参考にしてください。

この記事の監修:勝田健氏
スタートアップ企業に特化した転職エージェントに従事。大手VCと連携し、累計約100名のCxOポジションに紹介実績あり。転職エージェント歴22年。スタートアップ業界の豊富な人脈(VC・起業家・CxO)と知見が強み。個人の「WILL」をベースとしたキャリア支援実績は累計2000名以上。スタートアップ企業の採用支援経験を活かし、自らも複業(結婚相談所・採用コンサルティング・新規事業起ち上げ支援)を実践。幅広い業界・サービスのビジネスモデルを熟知。

40代の平均賃金は?|男女、学歴、企業、業界別に解説

厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」から、40代の収入に関わる部分をご紹介します。

ここでいう「賃金」とは、令和3年6月分の所定内給与額の平均(諸手当は含めず、所得税等を控除する前の金額)のことです。性別や学歴、業界によってどのような変化があるか、見ていきましょう。

※ 年収の計算方法は、賃金12ヶ月分に、賞与2ヶ月分を加算した額(賃金×14ヶ月)で算出しています。

男女別 40代の平均年収

男女合計
40〜44歳501万円378万円459万円
45〜49歳536万円379万円482万円
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第2表 性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差」

※ 万円以下は四捨五入

まずは、男女別で比較します。40代(40〜49歳)でまとめると以下の通りです。

  • 男性の平均年収:518.5万円
  • 女性の平均年収:378.5万円

年収に換算すると、男女間で約140万円ものひらきがあります。

男女別に40代の前半と後半で年収の増加率を比べると、男性は年収が35万円増加していますが、女性はたった1万円の増加となっています。男女のあいだには、キャリアアップの壁があることが読み取れます。

2021年に帝国データバンクが発表したデータによると、女性管理職の割合は平均8.9%と、世界的にも低水準。2020年までに「指導的地位に占める女性の割合30%」を目指すとしていた国の方針にも届いていない現状がこの金額からも実感できます。

また、40代は子育てや親の介護にも時間を取られる世代です。性別や世間の役割にとらわれることなく、限られた時間の中で、自分は何を優先したいのか、ワークライフバランスも考えていくことが大切でしょう。

学歴別 40代の平均年収

男女合計
高卒
40〜44歳431万円311万円396万円
45〜49歳466万円329万円422万円
専門卒
40〜44歳459万円386万円427万円
45〜49歳483万円398万円447万円
高専・短大卒
40〜44歳498万円377万円416万円
45〜49歳552万円389万円436万円
大卒
40〜44歳570万円453万円541万円
45〜49歳631万円469万円598万円
大院卒
40〜44歳705万円599万円687万円
45〜49歳773万円656万円753万円
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第3表 学歴、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」

※ 万円以下は四捨五入

同じ年代でも最終学歴によって、300万円近くの年収差が発生しています。

男性の場合、最終学歴に関係なく40〜44歳と45〜49歳を比べると少なくとも30万円の年収アップができていますが、女性は10万円しかアップしていません。また大学院を卒業した45〜49歳の女性は、同世代の大卒の男性とほぼ年収が変わらないない結果でした。

職種・業種別 40代の平均年収

ここでは「産業、性別、年齢階級別賃金及び対前年増減率」より、5つの業種をピックアップしてご紹介します。

男女合計
製造業
40〜44歳468万円328万円436万円
45〜49歳507万円343万円465万円
情報通信業
40〜44歳608万円501万円586万円
45〜49歳645万円489万円611万円
金融業・保険業
40〜44歳799万円447万円604万円
45〜49歳852万円448万円645万円
医療・福祉
40〜44歳502万円387万円425万円
45〜49歳549万円393万円437万円
サービス業(他に分類されないもの)
40〜44歳423万円338万円398万円
45〜49歳452万円337万円411万円
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第5表 産業、性、年齢階級別賃金及び対前年増減率」

※ 万円以下は四捨五入

男性では、「金融業・保険業」が一番平均年収の高い結果となりました。「サービス業(他に分類されないもの)」と比べると400万円もの差があります。

しかし、ずっと年収が上がっていくわけではありません。医療・福祉を除き、ほとんどの職種・業種は、50代をピークに賃金は下降します(以下のグラフを参照)。

引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第5図 主な産業、性、年齢階級別賃金」
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第5図 主な産業、性、年齢階級別賃金」

一方の女性は、職種・業種によって大きな差がないのが特徴です。グラフを見ても、年代や業種による賃金差はほとんどなく、横ばいに推移しています。「情報通信業」「サービス業(他に分類されないもの)」については、40代前半と後半で賃金は微減しはじめるため、男性よりも早い年齢で緩やかに下降するのが読み取れます。

参照:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 産業別にみた賃金

企業規模別 40代の平均年収

男女合計
大企業
40〜44歳558万円411万円511万円
45〜49歳601万円407万円537万円
中企業
40〜44歳486万円376万円447万円
45〜49歳528万円382万円475万円
小企業
40〜44歳451万円344万円415万円
45〜49歳473万円346万円431万円
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第4表」企業規模、性、年齢階級別賃金及び企業規模間賃金格差

※ 万円以下は四捨五入

ここで表記されている企業規模は、以下の通りです。

  • 大企業:常用労働者 1,000人以上
  • 中企業:常用労働者 100〜999人
  • 小企業:常用労働者 10〜99人以上

常用労働者が多い企業ほど、賃金が高くなる傾向にあります。平均でみると、大企業で働く40代男女の年収は524万円、中企業が461万円、小企業が423万円と、約100万円のひらきがありました。

ただし今回は、純粋に1ヶ月分の賃金×14ヶ月分(毎月の給与+ボーナス2ヶ月分)で計算しています。ボーナスや臨時手当など、変動要因が含まれていないため、一概に企業の規模で年収が変わるとは言いにくいでしょう。

【参考】都道府県別の平均年収

全国計430万円
北海道385万円
宮城県389万円
東京都510万円
神奈川県471万円
愛知県444万円
京都府437万円
大阪府458万円
広島県407万円
福岡県403万円
沖縄県351万円
引用:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 「第7図」都道府県別賃金(男女計)

※ 万円以下は四捨五入

最後にご紹介するのは、都道府県別の平均年収です。世代別で区切られたデータが公表されていないため、8大都市圏における全世代の平均年収を掲載しています。

全国平均である430万円よりも賃金が高いのは、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県の6都府県でした。

また、一番賃金が高いのは東京都で510万円、一番低い都道府県は掲載されていませんが、宮崎県で342万円(賃金:244,600円)です。年収に換算すると150万円以上のひらきがあります。

参照:令和3年賃金構造基本統計調査の概況 都道府県別にみた賃金

40代の平均年収が高い企業ランキング

引用元:40歳年収!「全国トップ500社」最新ランキング

東洋経済オンラインによると、40代の平均年収が高い企業ランキングのトップ10のうち、3社のコンサルティングファームがランクインしています。第1位のM&Aキャピタルパートナーズもそのひとつです。同社は、2005年に設立され、東証プライム市場の上場企業として、数多くのクライアントと取引しています。平均年齢が31.4歳と若いながら、平均年収が2,000万円を超えているのにも驚きです。

これは、コンサルタント費用の人件費(給与)だけで経営できている点が大きいでしょう。製造業は、モノがなければサービスを販売できません。しかしコンサルティング分野であれば、設備投資やモノづくりの必要がなく、人材が利益を生む業種です。企業の売上が高まれば、ダイレクトに人件費(給与)に反映されるので、高いインセンティブも期待できます。

ちなみに『40歳年収!「全国トップ500社」最新ランキング』のうち、40歳推計年収が1,000万円以上となったのはたったの46社。集計対象企業3,230社のわずか1.4%だったそうです。正規雇用者の平均給与である433万円から考えてみても、年収1,000万円が高いハードルだと理解できますね。

40代の年収に関するリアルな声

Twitterで40代の年収について調べてみると、年収がアップした方から、希望通りにはならないと嘆く方までさまざま。リアルな声をご紹介しましょう。

https://twitter.com/ike26408207/status/1502264646392512518
https://twitter.com/kc0809Bu/status/1501032717126881282
  • 40代で転職して年収UPに成功。ようやく平均くらいに…
  • 年収UP=転職に縛られるのは良くない
  • 転職して年収が希望通りいくパターンは少ない。妥協は必要

近年、ミドル・シニア層の転職が活発になってきているのを物語っているように感じます。

しかし、40代の転職はまだ「当たり前」の市場ではないので、ネガティブな情報も投稿されています。そんな中でも転職に成功していることを投稿している人に共通しているのは、自分の強みを把握し、それを活かせる業界へ転職している方々でした。

すべての転職情報がSNSにあるわけではありません。周りの声に惑わされることなく、正しい情報を取捨選択するようにしましょう。

40代で転職して年収が上がる人の特徴

「転職してみようかな」と求人情報を見て、初めて40代の転職の理想と現実を知る方も多いはず。ここからは、転職によって年収を上げられる人の特徴をご紹介します。

40代の転職市場を把握している

20〜30代と40代での転職の違いは、経験値の量です。まずは、自分自身に求められていることを把握しましょう。

例えば、次のように同じ40代の転職でも、どんな経験値を求めているかは企業によって異なります。

  • リーダーとして活躍できる人材
  • 若手を育成できる人材
  • さまざまな業界知識を持っている人材
  • ひとつのジャンルに精通したプロフェッショナルな人材

『ミドルの転職』を運営するエン・ジャパン株式会社が実施したアンケートでは、8割のコンサルタントが「2022年は35歳以上のミドルを対象とした求人が増加する」と回答。課長クラスのポジションでの求人増加が見込まれると言われています。

コロナ禍で働き方も変わり、管理職不足が課題となる企業が増えています。転職市場の中で、どのポジションなら年収アップできるのか、需要と共有を把握して動くことが大切です。

これまでのキャリアの棚卸しができている

いくら素晴らしい業績と経験があっても、それを伝えられなければ意味がありません。今や「新卒から有名企業で働いていました」だけでは、採用されない時代です。その企業で何をしてきたかが重要です。

例えば、同じ45歳のエンジニアでも、

Aさん:マネジメント経験が5年以上。現在も10人ほどのチームを率いている。
Bさん:マネジメント経験はなし。複数の案件を掛け持ち、自らも開発を行っている。

キャリアはそれぞれ異なります。同じ「45歳、エンジニア」ですが、求められる職種やポジションも異なるのです。

転職したい先で求められている職種、ポジションと見合うキャリアが自分自身にあるのか? これまでのキャリアを把握し、転職時に伝えられる素材を準備しておきましょう。

社外でも通用するスキルを持っている

株式会社パーソル総合研究所が毎年実施している「2021年度版 働く 10,000人 の就業・成長定点調査」では、例年に比べて40代の成長意欲が高まっていると発表しました。

終身雇用で安泰だった時代から、自ら成長しないと生き残りづらい時代になったことで、社外でも通用するようなスキルを持っておくことが求められています。

例えば、現在の職場では使わない英語も、一定以上スキルがあれば仕事の選択肢が広がる可能性があるでしょう。また、趣味を活かした資格を取得したり、MBA(経営学修士)の取得を検討している人もいるかもしれません。

大規模な組織のマネジメント経験がある

40代の転職のニーズが高い課長やリーダー職のポジションには、マネジメント能力が求められます。しかし、一言にマネジメントといっても、その内容は人によってさまざま。

あるTwitterのアンケートでは、「マネジメント経験あり」として評価できるのは「5〜10人」に、一番多くの回答が寄せられました。人数だけで判断されることはありませんし、多ければいいというものでもありません。どのようにマネジメントしてきたか経験を語れるようにしておきましょう。

またコロナ禍で、マネジメント手法も変化しています。

2022年に株式会社みんなのエージェントが行った「Withコロナのマネジメント」に関する実態調査によると、中間管理職の60.8%が、コロナ禍における「部下のマネジメント」に苦戦していると回答しました。変化の激しい時代に、どんなマネジメント経験を重ねたのかを伝えられれば、きっと自分の武器になるはずです。

40代が転職して年収を上げるための5つのポイント

40代が転職して年収を上げるための5つのポイント

ここからは、40代からの転職で年収をアップさせる方法を紹介していきます。40代で初めて転職する方や、なかなかいい求人を見つけられず苦戦している方に向けて、参考になる情報をまとめました。

自分のスキルが生かせる会社へ転職する

「転職入職者の賃金変動状況(2021年上半期/厚生労働省)」によると、40代前半の約4割が賃金が増えたと回答し、40代後半では約3割が減ったと回答しています。

増えた変わらない減った
40〜44歳39.9%36.4%22.6%
45〜49歳34.1%34.4%30.4%
引用元:厚生労働省, 令和2年雇用動向調査結果の概況「4 転職入職者の状況 、(4)転職入職者の賃金変動状況」

「転職35歳限界説」が唱えられることもありますが、40代で年収アップした人が3割以上います。自らのキャリアをしっかりと棚卸しし、スキルを生かした転職にしましょう。

都市圏の求人を狙う

前述したように、都道府県別の平均年収では、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県の6都府県が全国の平均賃金よりも高い地域でした。

その分、家賃や生活費など物価も高くなる地域ではありますが、フルリモート対応の企業も増えているため、住まいは地方、勤務先は都市圏で働くことも可能になりました。

東京都が発表する「テレワーク実施率調査結果(2022年1月)」によると、都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は57.3%。さらに週3日以上テレワークを実施している企業が43.3%もありました。コロナ禍で働く場所を選ばない、都市圏の求人も広がっています。「地方に住んでいるから」と諦めず、都市圏の求人にも目を通して見ましょう。

平均年収が高い業界を目指す

40代から転職をしてキャリアアップするのは、少しハードルが高くなります。しかし、同じ職種で業界を変える形の転職であれば、年収アップが叶うかもしれません。

2020年9月〜2021年8月の1年間にdodaエージェントサービスに登録した人の平均年収の集計データからトップ5をご紹介します。

男性女性全体
金融556万円376万円455万円
メーカー489万円371万円455万円
総合商社483万円359万円434万円
IT/通信460万円379万円433万円
建設/プラント/不動産447万円352万円416万円
引用元:平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】

同じ業界という軸での転職を考えるのではなく、同じ業種での転職を考えてみると選択肢の幅が広がります。これまでよりも業界の幅を広げて転職活動してみると新たな発見ができるでしょう。

管理職採用を目指す

先ほど課長クラスのポジションでの求人が増加すると紹介しましたが、40代の管理職を積極的に採用している企業もたくさんあります。

特にスタートアップやベンチャー企業では、豊富な知識と経験がある人材を求める傾向にあります。しかし、成長過程であるが故に、人件費を捻出できない場合もあるでしょう。中には、「業務量は増えても年収がなかなかアップしない」というケースもあります。うまく行かず、再び転職活動となるとそれなりのリスクも伴うので、しっかり比較・検討した上で転職活動することをおすすめします。

40代以降、ヘッドハンティングの声がかかることもあるでしょう。自分の将来と、実現したい働き方を考えた上で検討することが大切です。

転職エージェントを活用する

現職が忙しく、転職活動の時間を算出できないという方は、転職エージェントを活用してみましょう。

登録時に希望年収や条件を登録し、簡単な面談なども発生しますが、専任の担当者が自分にぴったりの転職先を提案してくれます。中には、非公開の求人情報も提案してくれるため、自分の力だけでは見つけ出せない情報も発見することもあります。

また履歴書や職務経歴書のチェックや、面談へのアドバイスなど、企業をよく知る担当者が親身になって相談に乗ってくれます。モチベーション高く転職活動を続けることができるでしょう。転職活動が初めてだけど、忙しくて時間が取れない、何から始めたらよいかわからない方におすすめです。

転職だけではない!40代で年収をアップさせる方法

「今の職場は好き」「今の仕事は続けたい」「転職せずに年収アップできたら最高なのだけど」そんな気持ちの人も多いはず。ここからは転職以外で年収をアップさせる方法をご紹介します。

今の会社で昇進を目指す

一番早いのは、今の会社で昇進を目指すことでしょう。「それができたら悩まないよ」という声も聞こえてきそうですが、改めて社内の評価制度や昇給の条件を見直してみましょう。

40代ともなると、部下を評価する機会の方が増えてしまい自分の評価を疎かにしている方も多いかもしれません。部下のロールモデルになれるよう、まずは自分が昇進していく姿を見せることも大切です。

「出世は運」という考えもありますが、あえて「運も実力のうち」と捉えて もう一踏ん張り、今の会社で頑張ってみるのもよいのではないでしょうか。

現職での部署異動を検討する

大企業で働いている方は、部署が変われば「同じ会社?」と思うほど雰囲気が違う場合もあります。そのため、異動先でメキメキと実績を重ね、出世していく人も多いでしょう。

個人選択型HRM(人的資本管理:Human Resource Management)に関する実態調査」によると、42.2%の企業が社内公募制度を導入していると回答。中堅社員のモチベーション向上や主体的なキャリア形成を目的に取り組んでいる企業も半数以上あることが記されています。

以前は、会社の命令で異動となるケースがほとんどでした。しかし近年では、自らキャリアアップを目指し、異動を申請することもできるようになりました。社内公募制度や、社内でのキャリアチェンジも検討してみると良さそうです。

複業(副業)を始める

株式会社Daiが男女2,123人に実施した「収入アップの取り組み」に関するアンケート調査では、40代の45.4%が、収入アップのために複業(副業)を始めたと回答しています。

しかし株式会社ワークポートが行った副業に関するアンケートでは、複業(副業)OKの会社は36.4%と4割未満。まだまだ国内では複業(副業)を始めるのにハードルが高いのが現状です。国としても、複業(副業)をOKとする風潮は少しずつ広まっていますが、「複業(副業)ができる環境」かどうかも重要なポイントとなるでしょう。

世の中的にも、複業(副業)を求める声は年々大きくなっているので、今後、複業(副業)できる環境になることに期待しつつ、自分ならどんな副業を始めるか考えておくのが良さそうです。

資格を取って手当をもらう

従業員のスキルアップを目的とした「資格手当」を福利厚生のひとつとして打ち出す企業が増えています。資格取得に関わる費用を負担するだけでなく、合格報奨金や取得以降は給与にプラスして手当がもらえる制度です。

業界や企業によって手当の金額や支援制度は異なりますが、国家資格である「宅地建物取引士(宅建)」や「社会保険労務士」など毎月1万円程度プラスされる資格もあります。

「TOEIC」などの民間資格でも手当として組み込まれている企業があるため、社内の制度を確認し、申請してみるのもよいでしょう。また「資格手当はないのですか?」と持ちかけることで、新たに制度を作ることもできるかもしれません。モチベーション高く仕事を続けていくためにも、こうした支援制度は活用していきたいものです。

まとめ

40代の平均年収を業界別データや都道府県別と幅広くご紹介しながら、年収アップのポイントと共にお伝えしました。現状を踏まえつつ、年収アップへのヒントを掴んでいただければ嬉しいです。

多様な働き方が認められつつある昨今、自分次第で新たな道を切り拓けるでしょう。人生の折り返し地点でもある40代はワークライフバランスを考えるのに適した年代です。仕事や家族、自分の人生について見つめ直してみるのはいかがでしょうか。

転職して年収アップを狙うのか、今の職場での昇進を検討するのか、それとも副業で新たな活躍の場を見つけるのか、選択肢はたくさんあります。いずれにしても、自分が一番納得できる形で、仕事を楽しんでいきましょう。