年齢を重ねるごとに転職の難易度も上がり、40代で転職が決まらないことに焦りや悩みを抱える人が多いようです。
40代の転職入職率は5%以下となっており、20代や30代の入職率と比べて低くなっています。
40代で転職が決まらない人には何かしらの理由があり、自分で理由を見つけるのは難しいものです。
この記事では、40代で転職が決まらない理由について詳しく紹介していきます。
転職を成功させる秘訣も紹介しますので、ぜひ転職活動の参考にしてみてください。
記事の目次
40代で転職が決まらない9つの理由
40代で転職が決まらない理由はさまざまです。
転職が決まらないことに焦りや悩みを抱えている人は、その理由を知ることから始めましょう。
ここでは、40代で転職が決まらない9つの理由について紹介していきます。
理由1:自己分析ができていない
40代で転職を成功させるには、自己分析が必要です。
転職活動に必要な自己分析では、客観的な視点でこれまでのキャリアを振り返り、企業にアピールできるポイントを説明できる状態にしておくことが重要です。
自己分析ができていれば、企業との適正や自分の強みをアピールでき、採用後に戦力として活躍できるという印象を与えられます。
一方で、自己分析ができていないと、企業に効果的なアピールができず採用の可能性が低くなるのです。
例えば、「マネージャーとして部下30名のマネジメントをおこない、年間の売上予算110%を達成した」という実績があれば、マネジメントスキルをアピールできます。
現職でどういった業務に携わり、どんな結果を残したのかを振り返り、自分の強みを明確にすることが重要です。
また、自己分析をすれば自分のスキルや経験の棚卸しができるため、自分に向いている仕事を把握できるきっかけとなります。
これまで培ってきた豊富なキャリアを持っている40代だからこそ、時間をかけて自己分析をおこない、転職活動に備えましょう。
理由2:今後のキャリアプランが明確でない
今後のキャリアプランが明確でない人は、40代の転職が厳しくなります。
転職活動に一貫性がなくなり、転職理由や志望動機なども定まりにくくなるからです。
キャリアプランは転職活動を進めるうえで、自分の軸となります。
まずは、自分が「今後どのような人生を送りたいのか」を考えることが大切です。
そのうえで、「どんな仕事がしたいのか」「転職先に求めるものはなにか」を明確にし、自分の軸を定めましょう。
自分に適した企業を探しやすくなり、転職理由や志望動機などに説得力が増します。
40代で転職が決まらない人は、自分のキャリアプランを明確にして転職活動をすすめましょう。
理由3:企業が求めているスキルを持っていない
企業が求めているスキルを持っていない人も、40代で転職が厳しくなります。
企業が40代の人材に求めるものは、「高い専門性」や「マネジメントスキル」など、即戦力としてのスキルです。
20代や30代に比べて、入社後に一から教育する時間が少なく、即戦力を期待されます。
そのため、40代で企業が求めるスキルを持っていない場合、転職活動において不利になるのです。
40代の転職では、これまでのキャリアで培ったスキルを振り返ることが大切です。
自分のスキルが生かせる仕事かどうかも加味したうえで応募するようにしましょう。
理由4:身だしなみを気にしていない
40代に限ったことではないですが、身だしなみをきちんと整えることも、40代の転職において重要です。
メラビアンの法則によると、人の第一印象は、出会って数秒で決まると言われ、その内訳は「視覚情報55%」「聴覚情報38%」「言語情報7%」です。
身だしなみを整えておくことで、初対面の相手に好印象を与えます。
40代を迎えると、周りから身だしなみの指摘を受ける機会も少なくなり、身だしなみに対する意識が薄れてくる人も多くなります。
しかし、面接などの短期決戦の場では、第一印象の良し悪しが結果に影響するため注意が必要です。
ポイントは、髪型や服装など、全体的に「清潔感」を意識することです。
特に表情がわかるように、顔はよく見えた方が好印象に繋がります。
シャツのシワや靴の汚れなど細部にまでこだわり、マイナスな印象にならないよう心掛けましょう。
理由5:そもそも求人数自体が少ない
40代で転職が決まらない理由として、「20〜30代の人に比べて求人数が少ない」ことも挙げられます。
20代や30代であれば、将来性を見込んだポテンシャル採用や次期マネージャー候補としての採用など、入社後の社内教育を前提とした採用が多くなります。
一方で、40代には高い専門性やマネジメントスキルなどの即戦力のスキルを求める企業が増える傾向です。
そのため、管理職やマネージャー職での採用割合が高くなり、20代や30代と比べて求人数自体が少なくなります。
理由6:現職があることに安心している
40代で転職が決まらない人は、現職があることに安心している人も多い傾向にあります。
現職があるという安心感から本気で転職活動に臨めない人は、転職が決まりません。
現職と並行した転職活動は、時間も労力もかかるため大変なことですが、自分の転職理由を思い出し、覚悟を持って転職活動に臨みましょう。
理由7:転職先の企業研究ができていない
転職先の企業研究ができていないことも、40代で転職が決まらない理由です。
採用担当者は、応募者が企業について調べているかどうかもチェックしています。
面接時に企業に関する質問にうまく答えられなければ、「自社に興味がない」と判断され、悪い印象を与えてしまいます。
自分の経験やスキルなどをどれだけしっかり答えられても、企業研究ができていなければ、採用されにくいことを覚えておきましょう。
また、企業研究をすれば社風や働き方を把握できるので、応募時の判断にも役立ちます。
自分のスキルや経験、今後のキャリアプランと照らし合わせ、本当に自分に合った企業なのか事前に確認したうえで応募しましょう。
理由8:応募書類を適当に書いている
40代で転職が決まらない人は、応募書類の内容も見直してみてください。
特に重要なポイントとして、以下の点が挙げられます。
- 誤字や脱字、職歴に抜けがないか
- 経験やスキルが企業側の求める人材とマッチしているか
- 志望動機は熱意が伝わるものになっているか
応募書類が適当だと、「本当に自社に入社したいのだろうか」「入社後も適当に仕事をやるのでは」など、疑問を持たれ悪い印象を与えます。
また、応募書類を作成する前には、自己分析と企業研究も入念におこないましょう。
自己分析と企業研究をおこなうことで、アピールすべき内容が明確になり、採用担当者の目を惹く魅力的な応募書類となります。
理由9:転職市場を把握していない
40代で転職する際は、必ず転職市場について把握しておきましょう。
まずは、40代の求人数や入職率を把握し、自分が置かれている状況を客観的に理解することが大切です
現状を理解せずに転職活動を続けてしまうと、不採用の通知で心が折れてしまったり、自分都合の条件で転職先を探してしまったりと、採用から遠ざかってしまいます。
そのうえで、企業が40代の人材に求めていることや、40代の平均年収などを把握し、転職するにあたっての条件面を検討していきましょう。
40代の転職の現状
40代での転職活動には以下のような現状があります。自身の転職市場での立ち位置を知るための参考にしてください。
40代の転職入職率は2〜5%
40代で転職が決まらないことに焦りや不安を抱えている人は、そもそも40代の転職事情が厳しいことも理解しておく必要があります。
下記のグラフは、令和3年上半期の転職入職率を性・年齢別で表した2021年に厚生労働省が発表した「令和3年上半期雇用動向調査結果の概況」の調査結果の結果です。
20代や30代と比べて、40代の転職入職率は大きく低下し2〜5%となっている現実が明らかになっています。
※転職入職率:過去1年以内に他の会社で勤めていた人が入職した割合
40代でも転職入職率に差がある
20代や30代と比べて、40代の転職入職率は低く厳しい状況です。
また、40代でも転職入職率に差があります。
下の表は、さきほどのグラフを40代のみで比較したものです。
40代でも、40〜44歳までと45〜49歳を比べると男性の転職入職率は下がります。
一方、男性に比べ女性の転職入職率が高くなっているのは、雇用形態にパートタイムが含まれるからです。
40代で転職を決断する時は、年齢を重ねるごとに転職が厳しくなることを理解したうえで、転職活動に臨みましょう。
40代で転職を成功させる5つのポイント
20代や30代と比べて、40代での転職は難易度が高くなります。
しかし、40代で転職が決まらないことに焦りや不安を抱える必要はありません。
現実を理解し事前に対策することで、40代でも転職を成功させることは可能です。
ここでは、40代で転職を成功させる5つのポイントについて紹介します。
このポイントを把握し実践することで、40代の転職活動を有利に進めていきましょう。
自分のキャリアの棚卸しをする
40代で転職を成功させるために、自分のキャリアの棚卸しは重要です。
これまでのキャリアで培ってきた経験やスキルを振り返ることで、自分の強みが明確になるからです。
自分の強みは企業へのアピールポイントなので、自身の言葉で詳しくわかりやすく伝えられるようにしておきましょう。
具体例として、下記のようなイメージでキャリアを振り返ってみてください。
- プロジェクトリーダーとして、新商品の企画に全面的に携わり、社内の年間売れ筋商品1位を達成。
- 制作段階でチーム内のメンバーで意見が割れ、リーダーとしてチームをまとめ上げることに苦戦。
- 改善策として、チームの一人ひとりとヒアリングする時間を設け、消費者ニーズをもとに提案や意見の精査をおこないながらヒット商品が完成。
「担当した仕事と実績」「苦労したこと」「どのように克服したか」など、掘り下げて考えることが重要です。
面接では、「あなたの強みを教えてください」と、シンプルに質問されるとは限りません。
さまざまな角度から質問されることを想定し、キャリアの棚卸しは深掘りして考えておきましょう。
また、応募書類にも詳しく記載しておくことで、書類選考の通過率が上がります。
>>40代の転職が厳しい3つの理由|現状から転職成功の秘訣まで網羅
企業のニーズを把握する
40代で転職を成功させるために、企業のニーズを把握しておきましょう。
一般的に、企業は40代の人材に「高い専門性」や「マネジメントスキル」といった、即戦力スキルを求めています。
応募する際には、企業がどんなスキルを求めているのかを詳細まで把握しておくべきです。
例えば、IT系の企業に転職する場合、下記のようなスキルが必要です。
- 高いプログラミング技術
- 豊富な実務経験
- 部下やチームを管理するマネジメントスキル
転職する企業のニーズを理解し、自分の強みとマッチさせることで魅力的なアピールにしましょう。
家族や友人など相談相手を作る
家族や友人などの相談相手を作ることも、40代で転職を成功させるために必要です。
40代の転職は厳しく、すぐに転職先が決まる可能性は低いです。
場合によっては、半年から1年以上かかることもあるでしょう。
このような時に、不安や悩みを相談できる相手を作っておくと精神的な負荷を緩和できます。
家族や友人など、自分をよく知る人に相談することで、自分では気付けなかったアドバイスをもらえる可能性もあります。
面接でうまくいかない場合は、面接の練習相手をお願いしましょう。
転職エージェントに相談する
40代で転職活動に行き詰ったら、転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントに相談すると、下記のようなメリットがあります。
- 非公開求人を含めた、40代にオススメの求人を紹介してもらえる
- 転職市場における自分の市場価値を理解できる
- 転職活動の対策やアドバイスを受けられる
- 企業との調整や交渉を依頼できる
このような手厚いサポートを受けられるのが、転職エージェントの魅力です。
特に、現職と並行して転職活動を続けるのは、体力的にもスケジュール的にもハードなので、転職エージェントの活用も視野に入れておきましょう。
知人の紹介で転職先を見つける
40代の転職活動において、知人の紹介で転職先を見つけることも検討してみてください。
知人に転職先を紹介してもらう大きなメリットは、お互いのミスマッチを防げることです。
仕事内容や職場の雰囲気、働き方など、企業のリアルな情報を知り、不安なく転職できます。
また、選考がスムーズに進むこともメリットの1つです。
紹介者が仲介役となるため、自分にとっても企業にとっても、安心して選考を進めることが可能です。
これまで培ってきた人脈も、40代の魅力のひとつなので、機会のある人はぜひ検討してみてください。
まとめ
40代で転職が決まらないと、焦りや不安を抱えてしまいます。
その焦りや不安から、自分の条件と合わない企業にやみくもに応募するといった行動は、さらに自身を厳しい状況に追い込みます。
まずは、40代の転職が厳しいという現実や転職が決まらない理由を理解し、受け止めることが大切です。
これまでのキャリアの棚卸しや企業研究などをおこない、自分の強みが生かせる企業を探し応募しましょう。
それでも転職活動に不安を感じる時は、家族や友人に相談したり、転職エージェントを活用したりしましょう。
40代でも、正しい手順でしっかりと対策することで、必ず転職成功に繋がります。