新型コロナウイルス感染症の影響や、政府による副業促進ガイドラインの策定など、ビジネスパーソンの働き方に大きな変化が訪れています。

副業を始めるにあたってはそもそも資格は必須なのでしょうか。あるいは副業を始めるとき、保有しておくと収入が得やすくなる資格には、どんなものがあるのでしょうか。

この記事では、2022年時点で副業に有利な資格12選を、得られる収入の目安から資格取得の難易度まで詳しくご紹介します。

副業に資格は必要なのか

そもそも副業を始めるにあたって、資格は必要なのでしょうか。

答えは「YES」でもあり、「NO」でもあります。ここからは副業に資格が必要となるケースについて詳しくみていきます。

業務独占資格では資格が必須に

仕事のなかには資格保有者だけが行うことができる業務があります。

指定の業務を独占できる資格を「業務独占資格」と言い、その業務を副業で行いたい場合は資格の取得が必須です。

業務独占資格に分類される資格の例は、以下です。

  • 医師
  • 一級建築士
  • 看護師
  • 気象予報士
  • 行政書士
  • 小型船舶操縦士免許
  • 公認会計士
  • 司法書士
  • 社会保険労務士
  • 宅地建物取引士
  • 美容師

いわゆる「士業」と呼ばれる仕事の多くは業務独占資格に分類され、資格保有者でなければ業務を行うことはできません。

実績がない人は「資格」が名刺代わりに

副業をするにあたって自分のスキルや知識を客観的に第三者に証明できることも資格を取得するメリットです。資格を保有していることがいわゆる「名刺」の役割を果たします。

会計スキルを証明する「簿記2級資格」を例に挙げてみましょう。簿記2級を保有していれば、実務未経験でも経理・会計に関する基礎知識を有していると判断されるため、転職において有利となります。副業においては、経理業務のサポートといった簡単な業務から実績を積んでいくこともできるでしょう。

このように、実績がない場合も資格を保有していることで副業の案件獲得につながるケースがあります。

資格取得にこだわり過ぎはよくない

資格があれば副業をスタートするのに有利ですが、資格を取得することにこだわりすぎる必要はありません。副業の目的は「収入を得ること」であり「資格を取得すること」ではないからです。資格の取得にこだわりすぎるあまり、副業を始めるタイミングを逃してしまうのは本末転倒ですよね。

例えばライティングやデザインなど、業務内容によっては資格がなくともスキルがあれば副業を始められるケースもあります。

資格取得が必要な仕事をしたい場合や、どうしても副業開始前に資格を取得して知識を身につけたい場合を除き、とにかく資格に頼らず始めてみることも一つの方法です。

また、副業としての継続的な収入が確保できてから資格の勉強を並行することもできます。副業を始めるにあたって収入を得るという「目的」と、資格を取得するという「手段」をわけて考えることが重要です。

副業に資格を活かす3つのポイント

副業に資格を活かす3つのポイント

副業に資格を活かすには3つのポイントがあります。

今資格を保有している人や、これから副業のために資格を勉強することを検討している人は、ここで紹介するポイントを踏まえて「副業のために資格を取得すべきかどうか」「資格を取得するタイミングはいつか」を判断しましょう。

副業でいくら稼ぎたいかから逆算する

副業を始めるとき「副業でいくら稼ぎたいのか」を明確にしましょう。

副業の業務内容によって得られる報酬の額は変動します。

副業を始める時点で業務独占資格を持っている場合は、他の副業よりも得られる報酬の額が大きくなる場合もある点を踏まえると、副業に資格を活かすポイントがみえてくるでしょう。

具体的には、以下の2点が副業と得たい収入をマッチさせるポイントとなります。

  • 副業でいくら稼ぎたいのかを明確にする
  • 稼ぎたい収入が得られる資格の取得を検討する

キャリアプランを明確にしてから資格を取得する

副業において「どのようなキャリアを歩みたいのか」を明確にすることも、資格を取得する上で重要です。目先の収入を優先して、落ち着いたら資格を取得するのは、やや計画性に欠ける考え方かもしれません。

「今」少しだけ収入が欲しいのか、継続的な副業の収入が欲しいのかによって、副業の選択肢は大きく変化します。継続的に価値を発揮したい場合などは、独占資格を取得するなど、キャリアプランを明確にすることで、取るべき資格の選択肢もおのずと変化するでしょう。

自分の副業のスタイルを明確にする

副業のスタイルは人それぞれ異なります。ひとつの正解はありません。

副業をするにあたって大切なことは「何のために副業をするのか」を明確にすることです。

誰かが副業でこのくらいの収入を得ている、といった「隣の芝生」を気にすることなく「自分だけの副業の仕方」を明確にしましょう。

これまでビジネスパーソンとして培ってきたスキルや経験を生かすのか、スキルや経験のうえにさらに資格を取得するのか、まったく未経験の仕事を副業とするのかによって「自分だけの副業スタイル」は変化します。

単発的な副業でいいのか、継続的な副業をしたいのかによっても「副業のスタイル」と「あると役立つ資格」は異なります。

収入のためなのか、新たなキャリアを作るためなのか、本業とのシナジーを求めるのか。

確固たる「副業をする目的」を明確にすると「自分だけの副業の仕方」と「資格が必要かどうか」、あるいは「必要な資格」がわかってきます。

副業に活用できるおすすめの資格 12選

ここからは、現在資格を保有している人や、これから副業のために資格の取得を検討している人に向けて副業に活用できるおすすめの資格12選を紹介します。

1. 社会保険労務士

社会保険労務士は「社会保険労務士法」という法律に基づいた国家資格です。

企業活動における「人」にまつわる業務の専門家という位置づけで、人事・労務関連の仕事に従事します。

業務独占資格に該当するため、社会保険労務士の資格を取得すると、資格保有者にしかできない業務に携わることが可能です。

一方で業務独占資格かつ国家資格であるがゆえに資格取得の難易度は高めで、社会保険労務士名簿に登録するには資格取得後に2年以上の実務経験もしくは講習を受けることが求められます。

副業としての活かし方は、業務委託といった形で人事、労務関連の業務に従事する、アドバイザーやコンサルタントとして契約するといった方法があります。

2. 中小企業診断士

中小企業診断士は、その名の通り中小企業の経営問題に対する診断やアドバイスを行う業務が可能な「中小企業支援法」に基づいた国家資格です。

中小企業向けの経営コンサルタントとしての役割だけでなく、中小企業と行政や金融機関を結ぶ役割も求められます。

中小企業の定義は、以下の表のとおりです。

日本国内の企業のうち、中小企業に該当する企業の数は2016年の統計において357.8万で、企業数全体に占める割合が99.7%となっています。

中小企業診断士の試験は1次試験と2次試験があり、それぞれ合格しなければいけません。

経営や経済に関する深く広い知識がもとめられるため、資格を取得するにあたっての難易度は高くなります。

難易度は高いものの日本国内のほとんどの企業が中小企業であることから、中小企業診断士が活躍できるフィールドは、将来的にもなくならないといえるでしょう。

副業として活かす道は少なくないといえます。

3. 弁理士

弁理士とは、知的財産の専門家です。知的財産に関するさまざまな事柄に対して法律に基づいたアドバイスをしたり、知的財産の出願を、出願者のかわりに行います。

弁理士は知的財産に関する最高峰の国家資格と位置付けられているため、特許法、実用新案法、意匠法、商標法といった複数の法律の深い知識が求められるのです。

試験は短答式、論文式の試験が必須科目と選択科目の合計2回、口述試験の3回と1度の試験で、毎年5月から10月にかけて行われます。一度にすべての試験に合格できなかった場合は、合格した科目については最長2年ほど、申請によって同じ科目の受験が免除される仕組みです。

日々生み出されるアイデアやサービス、商品には常に知的財産にまつわる問題が発生するため、弁理士の仕事が増えることはあっても、減ることはないでしょう。副業として活用できるだけでなく、専業としての独立開業も可能な資格です。

ただし複数の法律に関する幅広く深い知識が求められることから、資格の難易度は高いといえます。

4. ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、お金に関するさまざまな悩みを解決するためのサポートを行う仕事です。

ファイナンシャルプランナーにはおもに以下の種類があります。

  • AFP:日本FP協会認定資格
  • CFP:日本FP協会認定資格
  • ファイナンシャルプランニング技能士(1級から3級):2級はAFP資格審査試験も兼ねている

ファイナンシャルプランニング技能士の2級合格と、AFP認定研修の受講および修了をもって、AFP認定者となることができます。

同様に、ファイナンシャルプランニング技能士の1級合格と、CFP認定研修の受講および修了をもって、CFP認定者となることができます。

AFP、CFPのどちらも2年ごとに資格を更新するための教育を受けることになっており、常に最新の金融知識が求められる資格です。

それだけに「お金に関して頼れる存在」であり、今後需要の高まる資格だといえるでしょう。

相談業務を有料で受けることができるため、副業に活かしやすい資格といえます。

5. 宅地建物取引士(宅建)

国家資格の宅地建物取引士(宅建)は、建物を建てるための土地や建物を売買したり、持ち主に代わって賃貸物件を斡旋したりする際に必要な仕事です。

宅地建物取引士にしか許されていない独占業務もあるため、資格を保有しておくと副業のみならず転職にも有利になります。

不動産関連の仕事をする上で重要なため、毎年20万人以上が受験する人気の資格です。一方で、合格率は毎年15%ほどで推移しており、取得難易度の高い資格だといえるでしょう。

不動産業界や建築業界で培ってきたキャリアにプラスして宅地建物取引士の資格を取得し副業しようとするなら、取得してもいい資格といえます。

建築業界や不動産業界でのキャリアがある人が宅建を取得すれば、現状のキャリアを足がかりとして新たなキャリアを作っていくことができるでしょう。

一方で建築業界や不動産業界に縁がなかった人にとっては、資格をとっても副業として活かすには難しいといえそうです。

6. キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、働く人のキャリアに関するさまざまな相談を受け、助言を行う専門家で国家資格です。

資格を取得するには厚生労働省が認定した、合計140時間の講習を修了し、キャリアコンサルタントに関する知識を問われる試験に合格する必要があります。受験までにキャリアコンサルタントに関する実務経験が3年以上ある場合は、講習の受講が免除される仕組みです。

資格試験に合格したあと、キャリアコンサルタント名簿に登録することでキャリアコンサルタントとしての活動を行うことができるようになります。

2022年9月時点で、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格を保有している人は、約64,000人でした。

国をあげて副業が推進される状況になったことから、キャリアコンサルタントの需要は今後高まると予想され、取得しておきたい資格といえます。

合格までの難易度がそれほど高くないため、本業と並行する形で学習しても合格は難しくないでしょう。

7. 公認会計士

公認会計士は、企業の財務諸表などが正しいものかどうかを第三者的な観点から監査する国家資格で、企業の会計の「番人」的な立場の仕事です。

公認会計士の仕事には税理士としての仕事も含まれるため、税理士登録を行うことにより税理士の業務を行うことも可能です。

幅広く会計や税務に関する業務を扱う仕事であることから、法律や会計に関する幅黒く深い知識が必要になるため、資格の難易度は高くなります。

公認会計士になるには、公認会計士の試験に合格したのち、2年間の実務経験と実務補習所で単位を取得する必要があり、さらに最終試験に合格しなければなりません。

仕事をしながら勉強し、合格を目指すにはなかなかハードルが高いでしょう。それでも社会的なニーズがあり、かつ副業としても高い収入が見込める資格といえます。

8. 秘書検定

秘書検定は、社会人として備えておくべき基本的なマナーや常識を「秘書検定」として問うものです。3級までは筆記試験のみ、準1級以降は筆記試験と面接試験で構成されています。

1級を取得できれば、企業幹部の秘書と同等のスキルがあると判断されます。

副業では、秘書検定準1級以上を取得したのち、現職でのスキルとともにオンライン秘書などの活動に活かせるでしょう。

9. 司法書士

司法書士は、不動産の登記や法人の登記、裁判所や検察庁に提出する書類の作成など、市民の権利や財産を守る役割を果たす法律の専門家で、国家資格です。

身近なところでは、遺言や相続にかかわる相談、手続きや成年後見事務が司法書士の仕事として挙げられます。

司法書士に合格するには、憲法や民法、刑法、商法のほか登記に関するいくつかの法律を広く深く理解する必要があるため、難易度は高いといえます。

資格の難易度は高い一方で、超高齢化社会となっていることから、成年後見事務に関する需要は高まっており、継続して司法書士の需要が高い状態が続くと考えられます。

副業としても司法書士の仕事の需要は高いでしょう。

10. メンタルヘルス・マネジメント検定®

メンタルヘルス・マネジメント検定®は、働く人の精神面の不調を未然に防ぐことを目的として、メンタルヘルスケアに関する知識や対処法を習得していることを示す資格です。

職位・職種別(対象別)にⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種があり、人事労務スタッフや経営幹部を対象としたⅠ種の試験では、選択問題のほかに論述問題が出されます。

2021年11月のⅠ種の合格率は約20%、Ⅱ種の合格率は約46%、Ⅲ種の合格率は約71%でした。

メンタルヘルス・マネジメント検定を取得して副業に活かす場合は、一般社員を対象としたⅢ種および管理監督者(管理職)を対象としたⅡ種を取得しておくと第三者からの信頼性が増し、仕事として成立するでしょう。

副業としては、職場でのメンタルヘルスを改善するアドバイスを行ったり、部下のメンタルヘルスケアの方法をアドバイスしたりする、といったカウンセリングが可能です。

11. 基本情報技術者

基本情報技術者試験は、情報処理の促進に関する法律第29条第1項に基づいて行われる国家試験です。

ITに関する基礎知識が求められるほか、論理的な考え方ができること、経営やマネジメントに関する知識や能力も必要となります。プログラミングをはじめとするITの知識以外にも幅広いビジネススキルが求められるため、難易度はやや高めです。

ITの仕事に従事している人であれば、取得しやすいでしょう。基本情報技術者の資格を勉強するなかで身につけたプログラミングスキルを活かして、副業でもエンジニアやプログラマーとして活躍することが可能です。

12. ITパスポート

ITパスポートとは、ITを活用、利用する人が備えておくべき、とされるITに関する基礎知識を証明する国家資格です。

AIやビッグデータといった新しい技術に関する知識やシステム開発の新しい手法に関する知識、経営やマネジメントの知識、プロジェクトマネジメントの知識など、総合的な知識を有していることを証明できます。

ITパスポートのみで副業収入を得ることは難しいため、あくまでITの基礎知識を得る目的での勉強、と割り切っておくことが必要です。

ITパスポートを取得すればITの基礎知識を得られるため、副業を始めるためのプログラミングの勉強に対するハードルが下がるでしょう。

今すぐ副業を始めたい人におすすめの「資格がいらない副業」5選

今すぐ副業を始めたい人におすすめの「資格がいらない副業」5選

「今すぐ副業を始めたい」人や「資格が必要のない副業をしたい」人もいるでしょう。ここからは、さまざまな副業のなかから資格がなくてもすぐ始められる仕事を紹介します。

配達ドライバー

食事や宅配便、手紙を指定の場所へ運ぶ配達ドライバーの仕事は、運転免許があればすぐに始められる仕事です。運転免許を持っていない人は、自転車での配達が可能な職場もあります。

時間給や配達した荷物の数で収入が決まる仕組みで、本業のない休みの日や終業後の時間を配達に当てることができます。単発で従事できる場合もあるため、時間の融通がききやすい副業だといえます。

Webライター

Webライターの仕事はパソコンがあれば、すぐに始められる副業のひとつです。

Web上にあるニュースやメディアの記事を執筆する仕事で、インターネット上で業務を受注できるクラウドソーシングサービスからライティングの仕事に応募したり、SNSでのライター募集に応募したりする形で仕事を得ることが可能です。

パソコンとインターネット環境さえあれば、時間や場所を問わずに仕事に取り組むことができるため、普段からパソコンを使った仕事をしている人にとっては、より取り組みやすい副業といえます。

本業で培った専門知識を活かせるジャンルを選ぶと、より高い単価の仕事を受けられる可能性があるでしょう。

家事代行

家事代行の仕事を副業として始める場合は、人脈を活用するか、家事代行サービスを展開している企業にスタッフ登録しましょう。

家事代行の業務には、以下のような仕事があります。

  • 家政婦としての家事代行
  • ハウスクリーニング
  • ベビーシッター・キッズシッター
  • 買い物代行
  • 高齢者サポート
  • ビルやオフィスの清掃

自分がどのような代行の仕事ができるかわからない場合は、まずサービスを提供している事業者に問い合わせ「得意なジャンル」の仕事を見つけましょう。

ペットシッター

ペットのケアをするペットシッターの副業もあります。ペットシッターの仕事は、主に以下のような業務です。

  • 日常の散歩代行
  • 飼い主の急用時の預かり
  • 飼育に関するアドバイスや相談を受ける
  • 万が一のとき、病院に連れていく

飼い主の自宅でペットのお世話をすることがあるため、動物が好きというだけでなく高い倫理観が求められます。

文字起こし

文字起こしとは、会議や取材の様子を録音・録画した音源から「読める状態の文章に書き起こす」業務です。

「1時間で〇円」といった時給単価や、「音源1本でいくら」といった本数単価での受け方があります。

キーボードを見ずにキータッチができる「ブラインドタッチ」ができれば、時間単位の収入をより高めることが可能です。

仕事はSNSやクラウドソーシングサービスで見つけることができます。

副業に資格が必須ではない3つの理由

ここまで、さまざまな資格を紹介した上で、資格がなくても始められる副業も紹介してきました。資格を取得することによって、独占業務などの一部の仕事では有利に副業を探せます。

一方で、現代では副業が一般化しつつあり、さまざまな人が独自の強みを活かして活躍するようになりました。副業を始める上で、資格の取得は必須ではありません。

ここからは、副業に資格が必須ではない主な理由を3つ紹介します。

資格保有者が多い

資格によってはすでに資格を取得した人が多く「供給過多」となっている資格もあります。

そういった資格は取得しても、副業として仕事を獲得することが難しくなるのです。

副業のために資格を取る場合は「合格後、理想の収入が得られるのか」を調べたうえで資格を選び、勉強しましょう。

実務経験の長さの差は埋められない

資格は「合格」がゴールです。

どうしても先に資格を取得している人のほうが資格を活用した仕事の経験が長くなるため、後から資格を取る人は不利になってしまいます。

不利になるのは副業においても同様です。

資格を持ち、数年のキャリアを築いている人と、先日資格を取得したばかりの人が副業で同じ仕事をしているとしたら、依頼する側はキャリアの長い人を選ぶでしょう。経験の差は、資格では埋められないことがほとんどです。

経験の差を埋められないのなら、あえてその資格を取ろうとするのではなく、別の副業を選んだほうがより早く収入を得られるでしょう。

仕事が保証されていない

どんなに難しい資格を取ったとしても、その後の仕事や収入が保証されているわけではありません。資格取得後、自ら営業して仕事を獲得していく必要があります。

営業する過程で経験が求められることもあるため、実務未経験者が最初の仕事を得るのは難しいものです。

「資格を取得したあと、どのような形で副業をスタートさせるのか」の具体的なイメージができていなければ、資格を取得するために費やした時間や労力が無駄になってしまうでしょう。

資格は収入を保証しないことから、副業を始めるにあたって資格の取得にこだわる必要はないといえます。

副業で稼ぐための「キャリア自律」の重要性

副業で稼ぐには、資格以上に「キャリア自律」の考え方を身につけることが重要です。

「キャリア自律」とは、「変化する環境において自らのキャリア構築と学習を主体的かつ継続的に取り組むこと」を指す言葉です。働き方が多様化する今、自分の強みは何か、何を軸にどのように社会に貢献していきたいのか、自らが主体的にキャリア構築に取り組み、柱を整備することが重要です。

この記事をご覧になっているみなさんは、「副業をはじめたい」という思いから、資格の取得という手段を検討していることでしょう。

しかし、資格を取得する以前に、以下のような本質を問うことが大切です。

  • これまでの自分のキャリアを活かせるか
  • 本業に影響を与えない範囲で、継続できるか
  • 新たなキャリアになるのか

資格はあくまで収入を得るための「手段のひとつ」でしかありません。副業をするにあたっては資格を取ることにこだわらず「自分には何ができるのか」を客観的にとらえ「できること」を副業にすることが大切です。