近年、副業が注目されるようになり、どのような副業を選択すれば稼げるのか模索する人も少なくないでしょう。しかし副業によっては本業に良くない影響を及ぼしたりする可能性もあります。

稼ぐためにはどのような副業を選択するのがよいのでしょうか。また、目標にすべき金額はどのくらいなのでしょうか。

今回の記事では収入の目安から、リスクを避けて継続的に収入を稼げる副業を紹介します。副業を始めようとしている人、継続的に副業収入を得たいと考えている人は参考にしてみてください。

副業で稼げる金額の目安

副業はあくまで本業の合間に取り組むものです。そのため、本業以外の時間をどのように使うかによって副業で稼げる金額は異なります。ここからは、副業で稼げる目安の金額について解説します。

副業で稼げる平均金額は6.82万円

パーソル総合研究所の調査によると、副業による平均月収は6.82万円です。

全体で最も多いのは5〜10万円未満(23.8%)です。また、全体のうち3.9%は30万円以上とかなり大きな金額を稼いでいることもわかります。

どのような職種で働くのか、どの程度の時間をかけるのかによって違いはありますが、約8割の人が平均月収10万円未満であることから、10万円を超えれば「稼いでいる」と言えるでしょう。

 稼げる副業を選ぶ3つのポイント

稼げる副業を選ぶ3つのポイント

副業は選択できる職種が幅広いため、自分が持っているスキルやこれから身につけたいスキルを軸に選択できます。ただし、「稼げる」の言葉に惹かれて副業の選び方を間違えてしまうと、法に触れたり、キャリアアップに繋がらない可能性があります。ここでは、安全に稼げる副業を選ぶ方法を3つ紹介します。

「いくら稼ぎたいのか」を明確することが最優先

副業を始めるときは、まず「いくら稼ぎたいのか」を明確にしましょう。目先の金額に釣られるのではなく、適切な目標設定が重要です。高すぎる目標設定をすると、モチベーションが保てず、思うように稼げなかったときに挫折してしまいます。

副業収入の最初の目安についても解説しているので、参考にして金額設定をしましょう。

「〇〇が欲しいから半年後までにこの金額が必要」、「将来的に◯円必要だから月々◯円稼げるようになろう」など目標に対して逆算して考えておくのが大切です。

まずは実績をつくることを意識する

金額に捉われるのではなく、将来的に収入を継続的に得るための実績をつくれる副業に挑戦することも重要です。

副業を始めてすぐに高収入を得られる人は多くありません。まずは少しずつ信頼につながる実績を作ることで、後々大きな報酬の案件を受注することにつながります。

またクライアント目線で考えても、同じ案件に複数応募が募った場合、副業実績が多数ある人のほうが信頼できると判断します。稼げる金額だけを重視するのではなく、今後のスキルアップにつながるような副業案件を選び、実績をつくることを意識しましょう。

副業収入の最初のゴールは「本業の10%」

副業で稼ごうとするとき、まず目標にすべきは「本業の10%」の金額です。本業の収入が20万円の人であれば2万円、30万円の人であれば3万円が目安になる金額となります。

本業の10%であれば本業に支障を出さず、無理のない範囲で達成できる可能性があるからです。また、最初のゴールを現実的な金額に設定することで継続して取り組めます。

継続的に稼げるおすすめの副業5選

最初は少ない金額しか稼げなかったとしても、継続的に取り組むことで収入が増えていくでしょう。ここでは継続的に稼げる副業5つを抜粋して紹介します。

週末のみのアルバイト

週末のみのアルバイトは継続的に稼げる副業としておすすめです。平日は本業に集中し、週末をアルバイトに当てることでメリハリがついた生活を送れます。

仮に時給1,000円のアルバイトをした場合、1日8時間で8,000円稼げます。土日の2日間シフトに入れば、2日間で約16,000円の収入になるでしょう。週末のみのアルバイトでも1ヶ月の収入は多くて約64,000円稼げます。

週末のみのアルバイトは時給が高く、週末にがっつり勤務できる人が重宝される傾向です。代表的な職種として以下が挙げられます。

  • 居酒屋
  • イベントスタッフ
  • 引越し作業員

居酒屋は店舗にもよりますが時給が高く、夕方からの営業が多い傾向なので土日の午後や夕方から働きたい人に向いています。

イベントスタッフは短期アルバイトとして安定して募集が公開されています。アルバイト内容も会場設置やお客さんの誘導、試験監督などさまざまです。給与の支払いが日当で支給されることもあるため、ある程度まとまった収入がすぐに欲しい人におすすめです。

体を動かすのが好きな人であれば、引越し作業員もよいでしょう。3月や8月は引っ越す人が多くなるため、引越しシーズンに集中して副業するといった働き方も可能になります。

在宅で可能な内職

テレワークやリモートワークが導入され、在宅可能な内職を副業として選択する人がみられるようになりました。在宅での副業は時間を有効活用できるので、空いている時間で自由に働けるのがメリットです。

在宅での勤務が可能な内職の一例は以下の通りです。

  • シール貼り
  • データ入力
  • アンケート回答・モニター

シール貼りでは、商品や箱にシールを貼っていきます。取り扱う商品は雑貨や化粧品、食べ物などさまざまで、貼るシールも成分表や原材料、バーコードなど多岐にわたります。 

データ入力は企業がもつ顧客データや、アンケートの調査結果などをExcelなどの決められたフォーマットに入力していく作業です。内職の中でも人気があり、最低限WordやExcelなどの基本的なパソコン操作ができる人なら、未経験でも取り組めます。

在宅可能な内職の中でもすきま時間にできる内職として特に人気なのがアンケート回答やモニターです。アンケートサイトに登録して、企業から配信されたアンケートに回答するだけなので、気軽に始められやすく継続的に続けやすいです。

写真販売

写真を撮るのが得意だったり、好きで取り組んでいたりする人におすすめなのが「自分が撮影した写真を販売する」副業です。写真販売サイトに登録し、アップロードした写真が企業や個人に購入されると報酬が発生します。副業で写真販売できるサイトは以下があります。

写真販売サイトで写真が購入されると、報酬として販売価格から販売手数料を引いた額が受け取れます。販売価格は写真の大きさや報酬率、購入者の契約方法などで変わります。

PIXTAの場合、サイズ別に決まった金額で売られていて、投稿者が受け取れる報酬率は22%です。Mサイズの写真が1枚売れた場合1980円の22%なので、435円が報酬として得られます。

デリバリーの配達パートナー

日本では都心部を中心にデリバリーの配達パートナーが活躍しています。Uber Eatsや出前館などが代表例です。自分の都合に合わせて働けるので、「1時間だけ働きたい」「週末だけ働きたい」場合など柔軟に稼働できる副業です。

会社によって週単位での口座振込もできます。配達1件で最大2,310円獲得できる可能性があります。体力に自信のある方には向いているでしょう。

代行業(家事、ペットの散歩、買い付け代行など)

代行業とは依頼者の困っていることを代行する仕事です。家事代行や運転代行、愚痴聞き代行、モーニングコール代行など数多くの種類があります。

代行業は家事やペットの散歩、買い付けなど仕事内容がイメージしやすく、単発での仕事が多い副業です。

また、代行業は歩合制の場合が多く、時給換算にすると1200円〜1500円とアルバイトよりも高い傾向です。自分の得意な分野を伸ばしていけば、十分稼げる副業になります。

スキルを活用してできる副業7選

スキルを活用してできる副業7選

副業で稼ぐためには、本業で培ってきたスキルや趣味で続けてきたスキルを有効活用するのがおすすめです。長年培ってきたスキルは副業でも活かしやすく、高収入につながる可能性もあります。ここでは、スキルを活用してできる副業を7つ抜粋して紹介します。

英語ができるなら「翻訳・通訳」

英語が得意であれば、スキルを利用して翻訳・通訳の副業に活かせます。英語と日本語を話せればすぐに副業として始められ、旅行ガイドであれば日常会話レベルの英語力でも十分務められるでしょう。

通訳と翻訳では求められるスキルが異なります。通訳は口頭での会話がメインで、コミュニケーション能力が大切です。一方翻訳は、1つの言語を別の言語に置き換えるため、正確な意味に訳す文章力が求められます。

通訳案内士の資格を取ると日本観光通訳協会に登録でき、仕事を斡旋してもらうことも可能になります。

タイピング力を生かした「Webライティング」

タイピング力が強みの人は、Webライティングがおすすめです。Webライティングの収入は文字単価や記事単価で決まります。1文字1円の記事や1記事3000円など価格設定がさまざまで、Webライターのレベルによっても異なります。

タイピングは大学や社会人で必須のスキルであり、同じ実力をもつ人同士であればタイピング力がある人の方が有利になるでしょう。5000文字以上の執筆依頼があった場合、タイピングが速ければ執筆スピードが上がるので執筆時間が短縮できます。

また、各分野の専門知識がある場合は、その知識を生かすことで、さらなる単価向上が見込めます。

動画編集ができるなら「動画編集」

近年では動画編集の需要が高まっています。動画編集の副業の種類として以下の内容があります。

  •  YouTube編集
  • 企業のCM動画作成
  • Web広告の動画編集
  • アーティストのMV作成
  • ウェディングムービー作成

一般的に「動画編集」の副業では編集〜納品までを担当します。編集だけではなく動画の構成や企画、撮影などもできるようになると単価が上がる傾向です。

YouTubeの編集代行のみでは1本5000円だったものが、ディレクションまでおこなうと1ヶ月で20万円の収入を得られる場合があるのです。

イラストが描けるなら「イラスト作成・販売」

イラストを描くのが好きな人は、イラスト作成や販売の副業がおすすめです。イラストの作成や販売で稼ぐ方法は以下の通りです。

  • 友人やSNSのフォロワーからの依頼
  • クラウドソーシングでイラスト案件に応募
  • LINEスタンプを制作して販売
  • グッズを制作して販売

またイラストの副業で稼ぐためには、画力だけではなく一般的に求められるイラストの傾向を把握するのがよいでしょう。

イラストにはさまざまなタッチのものがあるので、自分のイラストがどのようなジャンルで稼げるのか調査することで、集客にもつながります。集客につながった結果、収入として確保できるのです。

カメラの扱いが得意なら「写真撮影・販売」

カメラの扱いが得意であれば、写真撮影や販売に活用してみるのもよいでしょう。「写真販売サイトへの登録」と「写真投稿」ができれば写真販売は可能です。

写真販売サイトは多くの種類が存在しますが、大手のサイトには購入者も多く存在するため、必ず登録しておくとよいでしょう。販売サイトへの登録が完了したら撮影する写真のジャンルを選び、実際に写真を撮影して投稿する流れになります。

写真撮影のなかでも「人物写真」は需要が高い傾向です。例えば、スーツ姿の男性はビジネスシーンに利用されやすい傾向があります。サイトやブログ、動画などに使われやすいので報酬率が高くなるサイトもあります。

ハンドメイドが得意なら「ハンドメイド作品販売」

最近では、ハンドメイド作品販売の副業でお小遣いを稼ぐ人も増えています。ハンドメイド作品の例は、アクセサリー、ベビー用品、スマホケースなどです。

「minne byGMOペパボ」が行ったアンケートによると、活動歴1年未満でも、副業収入を得ている割合が38.1%というデータが出ています

活動歴が長くなると収入が増加することから、ハンドメイド作品販売を続けていけば少しずつ稼げることがわかります。

プログラミング言語が扱えるなら「アプリ・システム・ゲーム開発」

本業でプログラミング言語を扱っている人は、アプリやシステム、ゲーム開発などの副業に挑戦するとよいでしょう。

アプリやシステム、ゲーム開発では求められる言語が異なるので、自分が長く経験してきた言語や、得意な言語を用いた開発案件に携わるのがおすすめです。

また、副業で本業とは異なる開発案件に携わることでスキルも身につきます。幅広いスキルを身につければ、本業に活かしたり、フリーランスに転向したりするなどキャリアの選択肢も増えるのです。

始めるには注意が必要な副業4選

副業を始める際、「株式投資がおすすめだよ!」「仮想通貨が稼げるよ!」などの話を耳にすることが多いでしょう。これらの副業は稼げる可能性は多いものの、まとまった資金がなければ大きく稼ぐことは不可能なうえ、専門知識がなければ元本資金を失うリスクが高くなるため注意が必要です。

どのような専門知識が必要なのかをそれぞれ解説していきます。

株式投資

株式投資とは、株式を購入して企業を所有する一員になることです。株主は、配当金や株主優待を受け取れたり、持分に応じて会社の意思決定に関与する権利があったりなどのメリットがあります。

デメリットとして、株価が値下がる可能性があったり、発行者が破たんした場合に投資資金を失ったりしてしまう可能性があります。

また、金融商品を取り扱う証券会社・保険業などでは、従業員の金融商品の取引は禁止されています。業務で得た知識から特定の金融商品に投資して利益を得た場合、インサイダー取引と判断されてしまうため注意が必要です。

仮想通貨

仮想通貨とはインターネット上でやりとりできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」において、次の性質をもつものと定義されています。

  • 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
  • 電子的に記録され、移転できる
  • 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

銀行をはじめとした第三者を介することなく財産的価値のやり取りが可能な仕組みとして、注目されています。代表的なものは、ビットコインやイーサリアムなどです。

仮想通貨取引は24時間365日取引可能なので、取引が簡単です。仮想通貨は、現物の貨幣ではなくインターネット上の暗号化された資産であるため、瞬時に決済できます。1日の中でも価格変動が大きいため、大きなリターンを得る可能性もあるでしょう。

一方で価格変動が大きく損失が出る可能性があるため、他の投資商品と比較してもリスクが高いです。また、仮想通貨に関する詐欺やハッキングなどの事例も数多く報告されているので、注意が必要です。

FX(外国為替)

FXとはForeign Exchangeを略したものです。外国為替保証金取引や外国為替証拠金取引と同じ意味を指します。「外国為替」とは簡単にまとめると、お金を交換することです。

アメリカでお金を使う場合両替所で日本円を米ドルに交換しますが、この交換は外国為替そのものといえます。FXは外貨を売買してその差益を得ることを狙う取引です。

海外旅行で出発時に交換した外貨を再び両替して円に戻す際、帰国後に円安が進んでいれば為替レートが変動した分だけ日本円が戻ります。反対に円高が進んでいると、為替レートが変動した分だけ戻ってくる日本円は少ないのです。

FXは、投資効率が高い分だけ損失リスクがあるので、適切なリスク管理が重要です。利益を上げていくためにも勉強が必要不可欠のため、事前対策をしっかり講じましょう。

不動産投資

不動産投資とは、なんらかの不動産物件を購入して第三者に貸し出し、家賃を利益として受け取る投資方法です。利便性の高いエリアや知名度が高いエリアなど、収益性の高い物件で不動産投資をすれば大きな利益が見込めます。

不動産投資は主に「ワンルームマンション投資」と「一棟買い投資」の2種類です。それぞれメリット・デメリットがあるのでどちらを選ぶかは慎重に考える必要があります。

不動産投資を拡大しすぎて事業規模になると、勤務先で問題になる可能性が高くなるでしょう。戸建ての保有数がおおむね5棟以上、もしくは集合住宅の保有数がおおむね10室以上の場合、副業禁止の勤務先では容認されない可能性が高くなります。

不動産投資をはじめるのであれば、ワンルームマンション賃貸や中古の戸建て投資など少ない資金で始められるものがおすすめです。