中途採用の「35歳限界説」が崩れはじめ、早期退職を募る企業も増加し、ここ数年で40〜50代の転職が増えたというニュースも耳にするようになりました。
人生100年時代とも呼ばれる今、40代はまだキャリア半ばです。これからのキャリアプランを見直し、転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
しかし、40代の転職は、若年層に比べて厳しい現状があり、スムーズに進むものではありません。
今回は、40代の転職に関するリアルな現状や注意点をまとめました。転職のプロであるキャリアコーチにも監修いただき、転職に関する素朴な疑問からおすすめの資格や転職サービスまで、40代の転職活動に役立つ情報を完全網羅してお伝えします。
記事の目次
40代の転職は難しい?現状を解説
ここ数年の「ミドルの転職」では、40代から異業種に転職し成功した人や、早期退職して第二の人生を歩み始めるなどポジティブな話題も聞こえてきます。
しかし、「40代の転職は厳しい」「転職しても年収は下がった」という声があるのも現実です。実際、転職の現状はどうなっているのか、詳しく見ていきましょう。
40代の転職成功率は? | 転職入職率から見る転職事情
なにをもって「転職が成功した」というかは、人それぞれです。
例えば、
- 前職より年収がアップした
- 役職がついて、部長職へキャリアアップできた
- 残業時間が減り、家族と過ごす時間が増えた
- 望んでいた業界に就くことができた
- リモート可能な企業に就職でき、夢だった移住が叶えられた
など、「成功」と言ってもさまざまな理由が考えられます。
そのため、一概に40代の転職成功率を導き出すのは難しいですが、厚生労働省が発表している『令和2年雇用動向調査結果の概要』に掲載されている転職入職率は、ひとつの指標として活用できます。この中にある「性、年齢階級別の入職と離職」では、年代・性別の入職率と離職率が確認できます。
ここでの入職率とは、常用労働者数に対する入職者数の割合のことで、実際に働いている社員の割合のうち何%が新たに入職した人かを示す数値です。
40代を見てみると、男性は約5%、女性の約10%が新規入職者であることから、この年代の転職が活発であるとは言えない状況です。
転職者の約30%は年収が下がる
また、転職前後の年収の増減は『令和2年雇用動向調査結果の概要』に掲載されています。40代の年収は転職によって、どのように変化しているのでしょうか?
増加した | 変わらない | 減少した | |
40〜44歳 | 39.1% | 31.0% | 28.5% |
45〜49歳 | 37.7% | 34.0% | 28.0% |
全年代平均 | 34.9% | 28.4% | 35.9% |
全年代の平均と40代を比べてみると、年収はまだ増加傾向にあることがわかります。
しかし50代以降になると、平均よりも増加した割合は低く、減少した割合が高くなるため、40代で転職するほうが年収アップを叶えやすいとも言えます。
転職先を決める際には、これまで通りの年収で働けるのか、また年収アップも可能なのか、現状も踏まえながら交渉しましょう。
40代からの未経験転職は厳しい
20代〜30代前半であれば、これからの成長を見据え未経験での異業種・職種採用も積極的に行われていますが、40代ともなると未経験での採用はハードルが高い印象です。
しかし、dodaが行ったコロナ前とコロナ下の「異業種転職における転職者の年齢分布」によると、35歳以下は異業種転職の割合が減っているものの、35歳以上の割合は増えているのがわかります。
未経験からの異業種転職だけでなく、これまでのスキルを活かして異業種に転職する40代が増えていることも要因でしょう。割合で比べると40歳以上は、15.8%と低い状況ですが、ニーズは年々増加傾向にあることは確かです。
>>40代の転職の現実とは?40代で転職を成功させる方法を徹底解説
「40代 転職」に関するSNSの意見
SNSで「40代 転職」と検索してみると、さまざまな声が投稿されています。転職に成功した方、ノウハウを共有している方、不安を感じている方などいくつか取り上げてご紹介します。
再就職できるかどうか不安に感じる
SNS上には「いまの会社を辞めたい」「転職したい」と悩んでいる人もいました。転職活動をするまでに腰が重く、なかなか現状から抜け出せないと感じる人もいるでしょう
また、会社を辞められても家族はどうなるのか、自分以外を心配している方もいます。人間関係が複雑化してくる40代だからこそ感じる不安と葛藤があるようです。
未経験職種への転職は時間がかかる
希望通りの就職先を見つけるのも40代では難しいようです。この方は4ヶ月と書いていますが、1年で300社以上も落ち続けた方もいました。
転職先を妥協したくない思いから転職期間が長くなったり、次は失敗したくないと転職活動を躊躇していたり、思い通りに進まないこともあります。ある程度長期戦になることは見越しながら、腰を据えて転職活動できる状況をつくりましょう。
転職後に環境の変化に対応できない可能性がある
40代で初めての転職となると、ゼロから新しい環境に慣れなければいけません。これまでの常識が変わり、人間関係も新たに築かねばならず、最初のうちはストレスが増えるかもしれません。しかし、そこで「やっぱりダメだった」と諦めず、環境に慣れていく努力も必要です。
SNSでは、40代のリアルな声が投稿されています。気になる人は一度検索してみると、ヒントが得られるかもしれません。
40代で転職を考える4つの理由
日本では一般的だった終身雇用制度が陰りを見せ始め、40代でも転職や早期退職をする人が増えてきました。40代ではどのような理由で転職を考えているのでしょうか? 40代に多い転職理由をご紹介します。
キャリアアップを目指している
ひとつの会社でキャリアを重ねてきても、思ったように昇進できない、給与が上がらない、そんな悩みを抱える40代も多いでしょう。
エンジャパンが35歳以上のユーザーを対象に実施したアンケートによると、転職軸として考えているのは「給与・待遇のアップ」でした。40代では54%が今よりもキャリアアップしたいと回答しています。
最近ではキャリアアップの手段のひとつに、複業(副業)を選ぶ人も増えてきました。しかし、2021年に発表された『副業・兼業への対応アンケート』によると、複業(副業)を禁止している企業の割合は49.3%。半数近い企業がいまだに複業(副業)を許可していないため、転職してスキルアップをはかりたい人が多くいるのでしょう。
今の会社の将来に不安を感じる
社会の急速な変化に企業が追いつけないことを不安に思う40代も多いようです。
コロナ禍でテレワークが普及しましたが、うまく順応できなかった企業もありました。自由な働き方や、テレワークの実施を促される中、国内ではテレワークの実施は25%程度に留まっていました。
テレワークをしない理由には、「テレワークで行える業務ではない」「テレワーク制度が整備されていない」が挙げられていました。
さらに2021年5月に行われたアンケートによると、コロナ禍で転職した・転職を考えた人の割合は77%と、約8割が転職を検討したと回答しています。そのうち、53.6%が「会社や事業の将来性に不安を感じたから」と回答し、コロナ禍での業績悪化や社会情勢とのギャップに「うちの会社は大丈夫か?」と不安を感じたと考えられます。
実際、ここ2年は新型コロナウイルスの感染拡大が原因で廃業する企業が後を絶ちません。特に、飲食店やホテル・旅館業などが大きな打撃を受けているようです。新型コロナウイルス関連倒産の累計もみても、毎月たくさんの企業が倒産しています。こうした社会情勢も踏まえ、転職を選ぶ人が年代問わず増えていると言えるでしょう。
仕事がマンネリ化している
新卒時代に就職氷河期を経験した40代は、2017年頃「アラフォー・クライシス」と呼ばれ注目を集めました。
仕事に慣れてきた2008年にはリーマンショックが起こり、管理職を任されるようになった時には新型コロナウイルスの感染拡大……。自らの力ではどうしようもできない社会に翻弄され、仕事に対して高いモチベーションを持って取り組むのが難しい状況は、今でも続いています。
そのため、上下世代と比べて新たなチャレンジや新規事業に関わるチャンスに恵まれず、仕事がマンネリ化している人材も多くいます。自らの成長とチャレンジをするために転職する、そう考える人も増えているのかもしれません。
職場の人間関係に悩んでいる
働き方が多様化したとはいえ、年代に関係なく職場の人間関係に悩み、転職を決意する人がいます。
日本労働組合のアンケートによると、「職場の人間関係を理由に退職・転職を考えたことがありますか?」という問いに、40代の約60%が「はい」と回答。20代以上に多い割合になりました。
ネガティブな悩みではありますが、40代の転職理由として職場の人間関係を理由に転職する人は多くいます。40代には関係ない悩みだろうとひとりで抱え込まず、転職・退職することも視野に入れながら解決できる方法を模索していくのが大切です。
40代の転職に必要なスキルや経験
ここからは、40代の転職で求められるスキルや経験についてお伝えします。これまでの経歴を履歴書や職務経歴書に記載するだけでなく、自分の経験を棚卸ししながら、強みに変えられるところをアピールしていきましょう。
専門的なスキル
これまでの経験を活かした専門的なスキルや資格があると、即戦力として採用されやすくなり、転職時に優位です。語学や専門職(医療・金融・不動産・建築など)に関する資格、プログラミングスキルなど、自身の経験を証明できるものがある場合は、積極的にアピールしていきましょう。
これといった資格を持っていない場合でも、これまでの経験を振り返り、身についたスキルを言語化しておくことが大切です。例えば、営業職でも携わったクライアントの継続率が100%というのも立派なスキルです。一度掴んだお客様を離さないために何を心がけたのか、何を努力してきたのか、自分の強みを理解しておきましょう。
コミュニケーション力
専門的なスキルや資格とは異なり、数値化・可視化しにくいのがコミュニケーション力です。実際に話してみないとわからない部分も大きいため、自分がどれだけのスキルを持っているかは、書面でも丁寧に伝える必要があります。
特に、コロナ禍で社会のコミュニケーション方法も多様化してきました。リアルなコミュニケーションから、オンラインでのコミュニケーションに変化しています。その中で円滑に仕事を進めるために努力したことは何か、部下たちの士気を高めるために工夫したことは何か、自身の経験も踏まえながらアピールできるとよいでしょう。
マネジメント力
社会が変化していく中で、40代に求められているのが「マネジメント力」です。企業の人事担当と管理職に実施した調査では、会社の組織課題として「次世代の経営を担う人材が育っていない」「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」が、トップの回答として報告されています。
コロナ禍で働き方も変わり、リアルな職場からオンラインへ対応した新しい人材育成やマネジメントが必要になりました。変化が激しい時代でも、柔軟に対応できるマネジメント力が求められているのでしょう。
最低限のITスキル
働く中でのコミュニケーションツールは、電子メールだけでなくチャットツールを利用するケースも増加し、会議形態もオンラインへと変化しています。テレワークが当たり前になりつつある現代において、「チャットツールで連絡が取れない」「PCやスマートフォンからZoomにアクセスできない」では、厳しい状況になりました。年代関係なく、仕事で使う最低限のITスキルは必須条件です。
2007年に日本にiPhoneが上陸して15年近く経ちます。国内普及率も2022年では94%となり、国内のほとんどの人がスマートフォン利用者です。SNSやLINEなど日常的に使うツールだけでなく、仕事道具としても活用されています。「わからない」で終わらせず、仕事で使うツールやスキルはしっかりと身につけておきましょう。
40代の転職が難しいと言われる理由
終身雇用制度に頼るだけでは良いキャリアを築けない今、自分のやりたいこと(キャリアプラン)から逆算してスキルを得ていく重要性が高まっています。しかし、なかなか求人が見つからず、転職に苦労するのが40代です。どうして40代の転職は難しいと言われてしまうのか、その原因を探ります。
20〜30代に比べて求人数が少ない
40代の転職が難しいと言われる1番の理由は、求人数の少なさです。
平成19年に雇用対策法が改正され、労働者の募集および採用について原則、年齢は不問となりました。しかし、中途採用を実施していない企業もまだまだあり、長期キャリア形成のためなど条件付きで「35歳まで」と表記している企業もあります。そのため、40代になると希望の求人を見つけにくくなるのです。
さらに日本全体の雇用をみてみると、新型コロナウイルスの影響もあり、2021年度の全国有効求人倍率は1.13倍。2019年から下降を続けています。
日本での有効求人倍率が低いことに加え、新卒採用中心の企業が多く30代後半以降(ミドル世代)の求人が少ないこと、希望する求人がないことが「厳しい」「難しい」と言われる理由でしょう。
40代は「即戦力」を求められる
若手社員を採用する場合、教育することが前提になることが多くあります。一方、知識と経験が豊富な40代は、現場ですぐに活躍できる「即戦力」を求めて採用されるケースが多くあります。
しかし、2021年に実施したビズリーチの調査によると、約77%の企業が「3年前と比べて即戦力人材の採用難度が高くなっている」と回答しています。
この背景には、
- オンラインにより選考スピードがUP、人材の獲得競争が激化した
- 管理職人材の母数が少ない
- 異業種との競争が激しくなった
などが挙げられており、即戦力が欲しい企業のニーズが高まっているのがわかります。
即戦力人材は欲しい一方で、転職市場にぴったりの人材が見つからないという状況が続いているとも言えるでしょう。
これは40代にとってチャンスでもあります。チャンスをつかみ、即戦力として活躍できる場を探していきましょう。
社風とのミスマッチが起こりやすい
これまで良しとされていた働き方が、転職先ではNGになってしまうこともあります。特にミスマッチが起こりやすいのが、社風の違いです。
ある程度、働き方が固定され始めた40代にとって、働く環境が変わるのは見えない負担や心労に繋がります。
転職したい企業の規模で優劣をつけるのではなく、どちらが自分の働き方にあっているかを理解するのが大切です。
例えば、些細なことですが「フルリモートOK」と記載されていても、実際に働いてみたら出社している社員がほとんどで、出社せざるを得ないケースもよく聞きます。転職先でもストレスなく働ける環境か気になる場合は、面談時に聞いてミスマッチが起こらないようにしておきましょう。
企業はより若い20〜30代の人を採用したがる
「20〜30代に比べて求人数が少ない」でも書きましたが、若年層に比べて40代の求人は少ないのが現状です。
株式会社学情が実施したアンケートによると、中途採用で採用したい年代は「20代」が75.1%、「30代」が83.5%、「40代」が32.5%と回答しています。40代を求める企業が30代の半分以下という結果になりました。
即戦力人材として、40代の採用が増えているとはいえ、一般的には20〜30代の人材を望んでいることも理解しておきましょう。
40代で転職を成功させる7つのポイント
「40代は転職が難しい」と言われる中で、どうしたら成功できるのでしょうか? ここでは、成功させるために必要な7つのポイントをご紹介します。
40代で転職を成功させる5つのポイント | 実際の転職事例も合わせて紹介
40代の転職市場をリサーチする
何より大切なのは、自分の年代が転職市場でどのように評価されているのか、リアルな現状を知ることです。この記事でも重要な部分をまとめてご紹介していますが、ご自身でも本を読んだり、新聞やWeb記事を読むなど、メリット・デメリットを正確に把握しておきましょう。
どうしても自分に都合の良い情報を集めてしまいがちですが、客観的にリサーチすることで、自分の「武器」を見つけられます。転職市場のトレンドと、自分の理想がどうやったらマッチさせられるか、冷静に判断していきましょう。
転職サイトを見て求人をチェックする
今、どのような求人が募集されているのかを把握するのには、転職サイトで求人情報をみるのがおすすめです。
さらに、「リクナビ」「doda」などの転職サイトだけでなく、30代後半からのミドル世代をメインとした「ミドルの転職(エン・ジャパン)」や、ハイキャリア向けの転職サイトも増えています。転職サイトに登録したからには、必ず転職しなければいけない契約はないので、実態を把握するために登録するだけでも、これまで知らなかった情報を得られるでしょう。
また「転職サイト」といっても、自ら求人を探すサイト、スカウトを待つサイト、企業と直接やりとりできるサイトなどさまざまな種類があります。詳しくは「40代からの転職で活用すべき転職サービス」でお伝えします。
>>40代で転職を成功させる5つのポイント | 実際の転職事例も合わせて紹介
自己分析をする
自分の強みを理解しないまま転職活動をしても、うまくいきません。
これからやりたいこと(WILL)だけでは自己分析になりません。これまでのキャリアを振り返り、経験してきたスキルや才能(CAN)と、求められてやるべきこと(MUST)の3つの視点を持つことが大切です。
転職サイト上にある「タイプ診断」でも手軽に自己分析できます。しかし、競争が激しい40代の転職市場では、さらに深い分析が求められます。
例えば、自分の強みを「人付き合いが好き」「コミュニケーション能力が高い」だけで終わらせてはいけません。どういった経験から人付き合いが好きになり、コミュニケーション能力が高まったのか、掘り下げて自己分析していくようにしましょう。
自分と向き合うことで、誰にも負けないアピールポイントが見つけられます。
今後のキャリアプランを明確にする
40代の転職でも、今後のキャリアプランが明確かどうかは重視される項目です。しかし40代以降では、キャリアについて語られないこともしばしば。というのも、40代以降「キャリアプラン」を考えていない人が増える傾向にあるからです。
「40代後半〜60代前半の働く価値観調査」によると、約半数がキャリアについて考えていないと回答しています。40代後半でも、2.5%の人しか「将来のキャリアのために行動している」と回答していません。
40代以降はキャリアプランを描かなくてもいい風潮がありますが、採用する企業の気持ちになれば、どんな人材を採用したいかは明確です。未来を描き、自分のキャリアをどのように企業に貢献できるのか伝えられるようにしておきましょう。
転職において譲れない条件と妥協できる条件を決める
「収入は今以上」「フルリモートで働ける場所を」など、自分の中で譲れない条件がある人も多いでしょう。すべての条件にマッチする理想的な転職先が見つかればいいですが、なかなかそうもいきません。
株式会社ビズヒッツの調査によると、転職先の条件に妥協をした人は約8割。そのほとんどが「給与・報酬額」で妥協していると答えました。
他にも、
- 土日休みがよかったけれど、平日休みの企業になった
- キャリアチェンジを考えて転職活動したけれどこれまでの職種で転職した
など、妥協した点は人それぞれあるようです。
転職活動中に「就職できればなんでもいい」という人はいないはずです。譲れない点とこれなら妥協しても良い点を考え、自分なりの転職軸をもつようにしましょう。
転職エージェントに登録しサポートを受ける
いまの職場が忙しく、なかなか転職活動の時間が取れない人も多いかもしれません。そんな時におすすめなのが、転職エージェントの活用です。
転職エージェントとは、転職希望者と企業の間に入り、転職希望者の経験や希望を踏まえて転職探しを手伝ってくれる人・サービスのこと。一般的に、転職エージェントサイトに登録すると、担当者から連絡が入り、いつ、どんな企業に転職したいかなどのヒアリングが行われます。
転職希望者は、担当者からの連絡を待っているだけで、理想の企業を紹介してもらえるため、転職活動の時間が取れない人やゼロからの転職に戸惑う人に活用されています。
転職活動の目標期間を設定する
いつまでも転職先が決まらない……と悩んでいる人も多いかもしれません。一般的には、3ヶ月から半年ほどで転職先を決めている人がほとんどです。しかし40代の転職期間は、半年以上が31%。さらに1年〜3年以上を合わせると半数以上が半年以上の期間をかけて転職活動していることがわかります。
「転職活動は時間がかかる」と理解し、どこまで頑張るか自分で目標期間を決めておくことも重要です。モチベーションが続かなくなり、今よりも厳しい条件で働くことになってしまわぬよう、計画的に転職活動を行いましょう。
40代からの転職に向けておすすめの資格
「いつかの転職のために資格を取得したい」と考える人もいるでしょう。ここでは、40代からの転職におすすめの資格をご紹介します。
しかし、資格を取ればすべての人が転職できるというわけではありません。今までの経験の棚卸しと転職を希望する企業とのすり合わせが重要です。自分のスキルやキャリアを振り返りながら、活かせる資格を探しましょう。
>>40代の転職に資格は必要?プロに聞くリアルな意見、おすすめ資格まで網羅
TOEIC
最近では入社時にTOEICスコアの記入を求める企業も増え、日本国内約2,900の団体・企業で活用されるようになりました。
テスト形式は、英語のリスニングとリーディングの200問を2時間で回答するものです。英語検定のような合格・不合格の判定ではなく、10〜990点の「スコア」で通知されるため、何度も受験し、スコアアップを目指している人も多いのが特徴です。
外資系の企業や、英語を日常的に使う企業への転職を考えている人におすすめの資格です。
簿記
年間60万人近くが受験している簿記。3・2級についてはネット試験にも対応しているので「まずは実力を知りたい」と試してみるのもおすすめです。
簿記1級は、合格すると税理士試験の受験資格にもなります。いずれも年齢・学歴等に関係なく受験できるので、資格に挑戦しながらステップアップをはかれるでしょう。
経理に関わりたい方や、経営者層などハイクラス求人を狙っている方も取得しておくことでプラスになる資格です。
ファイナンシャルプランナー(FP)
年齢・学歴等関係なく受験できるものにファイナンシャル・プランナー(FP)資格があります。投資や住宅ローンなど、お金に関わる相談ができ、仕事や実生活にも活かせる資格として注目されています。
しかし、国家資格である1〜3級のFP技能検定と、民間資格である日本FP協会認定資格であるAFPとCFPがあるため、「どれから受験したらいいか?」と悩む方も多いのではないでしょうか?
40代の転職で役立つのは、「FP技能検定2級以上」と言われています。
この2級を受験するためには、
- 日本FP協会認定のAFP認定研修を修了した者
- 3級FP技能検定合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を要する者
の資格が必要になるため、①〜③のいずれかをクリアした上で、受験するようにしましょう。
実際40代からの転職に資格は役立つの? | キャリアコーチの意見
実際のところ40代の転職に、資格は役立つのでしょうか? 現役で活躍している2名のキャリアコーチに話を伺いました。
40代転職は、基本的には即戦力採用となるため、おすすめ資格はあまり思いつかないです。
キャリアアドバイザー 勝田健氏
むしろ、今までの経験と異なる資格や職種にチャレンジしても転職成功には結び付かないため、安易に資格取得はおすすめしない方がいいかもしれません。
また転職に必要なスキルは、(これも業界や職種により大きく異なりますが)全般的には、CAN(経験・強み)をMUST(転職先企業に対して、具体的に貢献出来ること)に変換できるかどうかだと思います。
40代で転職に成功している人は、CAN→MUSTの変換が出来ている人ですが、実際には、自分ひとりではこの変換が出来ないケースも多く、転職エージェントを利用するのも一つの方法だと思います。(とはいえ、そこまで求職者に寄り添ってアドバイスをしてくれるエージェントは、実際には少ないのが現状です……)
>>関連記事『40代からの「キャリア自律」は複業から|転職エージェントが教えるキャリアシフト術』
業務独占資格においては、資格取得が前提であり、転職の武器というよりも最低限の条件としかみなされないと思いますし、資格取得=転職の武器にはならないと思います。採用担当者にとっては、「ふーん、そうなんですね。」くらいの反応です。
キャリアアドバイザー 山岸博幸氏
実務経験が前提であり、具体的に何ができるか? どのように転職先で貢献できるか? が最も重要視されると思います。
またミドル・シニア人材に対しては、資格取得や学びなおしは大切だと認めたうえで、「資格取得マニアにならないこと」「アウトプットの機会や実践を意図的に増やすこと」がより大切です。
入社の要件に資格取得が前提となっている場合は、取得していなければいけませんが、それ以外で強力な武器になるか? と問われると正直役立つとは言いにくいようです。
また、40代の転職で大切なのは資格をたくさん持っているということよりも、自身の経験や強み(CAN)を、どうやって企業に貢献できるか(MUST)を軸とした転職が成功への鍵を握っているのかもしれません。CANをMUSTに変換する際、「資格があれば有利になる!」と思うのであれば、資格取得を頑張ってみるのがよいでしょう。
40代未経験からでも転職しやすいおすすめの職種
「異業種・職種で活躍したい!」と思っている40代も多いかもしれません。しかし、自身の現在のキャリアも理解しないまま、募集が多い業種へ転職し、後悔してしまってはせっかくのキャリアプランも崩れてしまいます。
ここでは、異業種・職種からでも活躍しやすい職種をご紹介します。あくまで一例ですが、転職時の参考にしてください。
営業職
一言に「営業職」といっても、働き方はさまざまです。
代表的なものを挙げると、以下のような営業職があります。
- 法人営業
- 個人営業
- 新規営業
- ルート営業
- 内勤営業(インサイドセールス)
- 外勤営業(アウトサイドセールス)
このように企業規模や業態によって、大きく異なります。
そのため、これまでの経験を活かした転職がしやすい職種でもあります。例えば、これまでデータ分析やマーケティングに関わってきた方が、内勤営業(インサイドセールス)として活躍するケースも少なくはありません。
また、個人営業をメインとして活躍していた人が法人営業に転向したいと転職するケースもあるでしょう。自分のスキルを転職先でどのように貢献できるのか? その視点で考えてみると、営業職でも活躍できる企業が見えてくるはずです。
技術職
近年「ものづくり」への関心が高まり、技術職にも人気が集まっています。またDXやAI技術の進歩によりエンジニア需要が高まり、採用を強化する企業も増えてきました。
一般的には理工系の専門知識を持った人の新卒入社が多い職種ですが、未経験の中途採用でも募集している企業があります。社内教育制度が整っていたり、団塊世代の退職により人員が足りない企業があったり、求人理由は多岐に渡っています。
ものづくりの根幹を担う設計や開発、研究職は専門知識が必要ですが、それらを支える保守や管理に関する仕事は未経験でも募集しているケースがみられます。またメーカー系の企業だけでなく、金融のシステム運用や通信技術を支えるソフトウェアエンジニアも技術職に含まれます。これまでの経験を活かし、ものづくり領域へ転身することもできるでしょう。
サービス業
サービス業は広義的には、第三次産業と言えますが、業種で考えると大きく以下の7つに分けられます。
- 接客・販売
- 飲食・宿泊
- 教育・学習支援
- 医療・福祉
- 不動産業・物品賃貸業
- 金融・保険
- 生活関連・娯楽
例えば、これまで飲食店での接客業をメインとしていた方が、不動産業界の資格を取得し転職することも「接客」という面では共通点があるため、転職しやすい環境にあると言えます。また教育事業に携わっていた方が、お子さん向けの医療・福祉を提供する企業へ転職することもあるでしょう。「サービス」という軸で、業種変更しやすいのもサービス業の特徴と言えます。
転職活動を進める上での3つの注意点
ここからは、40代で転職活動を進める中で気をつけたい3つのことをご紹介します。気持ちよく転職活動ができるよう、あらかじめ確認しておきましょう。
在職中から転職活動を進める
「まずは会社を辞めよう」と辞表を出してから転職活動を始める方もいるかもしれません。しかし「転職活動の目標期間を設定する」でも紹介したように、40代の転職活動期間に半年以上かかっている人が半数以上います。3年近くかかっている方も6%いました。まず会社を辞めるのではなく、ある程度目処が経ってから、転職先が確定してから会社を辞めるのがおすすめです。
「忙しくてそれどころではない」という方も多いかもしれませんが、エージェントを活用したり、人脈を通じて転職先を紹介してもらったり、まずは副業で始めてみたり、仕事をしながらでも転職活動できる時代です。社内の部下や同僚に「転職活動をしている」と言わなくてもいいので、在職中からできることを探りましょう。
常に転職に関する情報収集をする
在職中から転職活動をしていては、「転職サイトに登録したことが会社にバレる」と思っている人もいるかもしれません。
現在の転職サイトでは、自分の勤めている企業に転職サイトから情報が流れないよう、企業をブロックすることもできます。まずは、登録してみて40代の転職市場がどうなっているのか把握しておきましょう。「登録したら、必ず転職しなければいけない」でもないので、気軽に登録できます。
また、転職に特化したSNS(YOUTRUSTやLinkedIn)で、気軽に転職情報を集められるようになりました。自分のスタイルにあった転職サイトや転職ツールを活用しましょう。
転職について家族に相談をしておく
転職活動を家族に相談せず、決まってから伝える人も多いようです。
ミドルの転職が行った「家族の転職反対」について(2018年)によると、家族に転職を反対された経験がある人は半数近くいました。その理由はさまざまですが、年収の低下や大企業の肩書きがなくなることへの不安に、多くの回答が寄せられたそうです。
さらに、家族の反対を理由に内定を辞退した経験がある人が51%もありました。家族に言わずに転職活動をした結果、半数以上が内定を辞退しているというのです。
性別に関係なく、家族に内緒で転職活動することはおすすめできません。
- 家族の将来のこと
- 子どものこと
- 親の介護のこと
- 老後も含めた資金運用
- 転職することで家族の時間はどう変化するのか
などを相談しながら転職活動するようにしましょう。
40代からの転職で活用すべき転職サービス
ここからは「転職活動を始めたい」と思った40代に、活用して欲しいサービスを4つ紹介します。それぞれに特徴があるサイトなので、自分のスタイルにあったサイトを選んでみてください。
<完全版>40代 おすすめ転職サイト13選|転職のプロの解説から転職ノウハウまで網羅
ビズリーチ
サービス名 | ビズリーチ |
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
公開求人数 | 73,481(2022年5月時点) |
対象年齢 | 特になし |
対応エリア | 国内・海外対応 |
料金 | ・無料プラン(プラチナスカウトのみ閲覧・返信が可能) ・有料プラン(すべてのスカウトの閲覧・返信が可能) タレント会員30日間コース 3,278円(税込)の一括払いハイクラス会員30日間コース 5,478円(税込)の一括払い(タレント/ハイクラスは、ビズリーチ側の会員属性により決定されます) |
CMでも目にする機会が多い「ビズリーチ」。年収1,000万円以上の求人が3分の1以上あることから、経営層や管理職からもニーズがあるハイクラスな転職サイトです。
5,000人以上いるヘッドハンターが、転職希望者が作成した職務経歴書をチェックし、スカウトを送ってきます。基本的には無料で使えるサービスですが、有料プランに登録すると非公開求人情報も閲覧できるため、「すぐに転職活動を終わらせたい」「条件にあう企業を探して欲しい」と望む人にとっては使いやすい転職サイトになっているようです。
リクルートダイレクトスカウト
サービス名 | リクルートダイレクトスカウト |
運営会社 | 株式会社リクルート |
公開求人数 | 104,398(2022年5月時点) |
対象年齢 | 特になし |
対応エリア | 国内・海外対応 |
料金 | 無料 |
サービス名の通り、「スカウト」を待つことをメインとした転職サイトです。
スカウトにもヘッドハンター求人と企業求人の2つがあり、無料の会員登録することで企業名や詳細が閲覧でき、職務経歴書を登録するだけでエージェントやヘッドハンター、企業からスカウトがくるようになります。
自らが企業を探し応募するのではなく、自分のキャリアや経験を元にスカウトしてくれるので、今まで知らなかった業界や企業から声がかかることもあります。
SNSで「リクルートダイレクトスカウト」について調べてみると、「人材の質がよい」というポジティブな投稿や、利用者からは「ヘッドハンターや企業からなかなか返信がこない」というネガティブな投稿もありました。
スカウトでは比較的ハイクラスな求人が多いため、「経験値が足りず、なかなか声がかからない」というケースもありそうです。「まず転職市場の情報収集をしたい」「どれくらいスカウトがあるのか確かめてみたい」と考える人におすすめのサイトです。
ミドルの転職
サービス名 | ミドルの転職 |
運営会社 | エン・ジャパン株式会社 |
公開求人数 | 127,918(2022年5月時点) |
対象年齢 | 特になし |
対応エリア | 国内・海外対応 |
料金 | 無料 |
登録者の平均年齢が45歳と、ミドル世代に特化した転職サイトです。
非公開求人が9万件以上、年収1,000万円以上の求人も1万件以上掲載されており、経営層・管理職分野についても多くの求人が掲載されています。気になった求人情報から直接応募する方法と、一部スカウト機能もあるため、どちらも一緒に進めたい方におすすめです。
ある程度行きたい業界・業種が絞られている人や、口コミ評価の高い転職エージェントにサポートしてもらいたい人、企業から直接スカウトを受けたいと考えている人にも使いやすいサイトです。
JACリクルートメント
サービス名 | JACリクルートメント |
運営会社 | 株式会社 ジェイエイシーリクルートメント |
公開求人数 | 13,076(2022年5月時点) |
対象年齢 | 特になし |
対応エリア | 国内・海外対応 |
料金 | 無料 |
「JACリクルートメント」は、ロンドン発祥のジェイエイシーリクルートメントが運営する日系転職エージェントです。日本だけでなくグローバル転職にも強く、2019年から4年連続でオリコン顧客満足度1位(ハイクラス・ミドル転職サイト)を獲得。年間6万7,000人が利用するサイトとして、30代以降に人気の転職サイトです。
4つの中では公開求人数は少なめですが、非公開求人が全体の60%をしめているため、市場には出てこないような求人と巡り合える可能性もあります。
転職活動の一歩から転職後まで、コンサルタントたちのサポートが手厚く、初めての転職活動をする人にもおすすめのサイトです。企業コンサルタントと共にじっくり腰を据えて転職活動したい、転職のイロハから教えて欲しい、転職後のサポートもして欲しいと考えている人にも使いやすいサイトでしょう。
40代からの転職成功事例
ここからは、実際に40代で転職した方の成功事例をご紹介します。一人ひとり転職のきっかけや業界・業種は異なりますが、参考になることもあるはずです。
コロナ禍で業績が悪化。今後のキャリアを見据えて転職先を考えた
元の業界・職種 | 大手メーカー/海外営業マネージャー |
転職先の業界・職種 | 中小メーカー/海外営業部長 |
転職に至った理由 | 新型コロナウイルスの流行によって、会社の業績が悪化してきました。海外営業マネージャーとして働いていましたが、リモートワーク化され、海外出張はほぼゼロに。いまの会社に残るか? 別の会社へ移るか? 今後のキャリアを考え始め、転職しようと動き出しました。 |
転職で工夫したこと | 大手エージェントやビズリーチに登録し、できる限り経歴を記載することを心がけました。エージェントには不安や悩みを素直に相談し、職務経歴書をブラッシュアップ。ビズリーチでも、スカウトをいただいたエージェントやヘッドハンターとはすべて話をするようにしていました。現在は、中小メーカーの海外営業部長として、キャリアを活かした仕事ができています。 |
会社の事業投資がストップ! 新たな活躍の場を探す転職活動に
元の業界・職種 | 大手消費財メーカー/新規事業マーケティングマネージャー |
転職先の業界・職種 | 大手メーカー/新規事業開発責任者 |
転職に至った理由 | 新型コロナウイルスにより会社の業績が悪化。これまで進めてきた新規事業への投資が凍結してしまいました。新規事業にポジティブな業界へ転身したいと考え、新規事業の責任者を募集している企業を狙い、転職活動を開始しました。 |
転職で工夫したこと | 大手エージェント、ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウトなどに登録しました。もともとエージェントサイトには3年以上前から登録していたので、定期的に良い案件があれば応募していました。本格的に転職活動をスタートさせてからは、動き方を変え、積極的に動いたのもよかったかもしれませんね。ある程度使い方も把握できていたので、わりと短期間で転職先を決められたと思います。 |
自分の存在意義に不安が……思い切って転職活動をスタート
元の業界・職種 | 中堅上場メーカー 経理部門責任者 |
転職先の業界・職種 | 中小メーカー 財務部長 |
転職に至った理由 | 新型コロナウイルスによる業績悪化に加え、さまざまな新規PJが頓挫していきました。「このままでは、自分も会社から必要とされなくなるのでは?」と考え、転職活動を開始しました。 |
転職で工夫したこと | 複数のエージェントに登録し、エージェントから応募する企業の課題や状況など企業情報を積極的に収集しました。また「なぜ責任者なのに転職するのか?」と聞かれてもスムーズに回答できるよう、エージェントと相談しながら、転職理由を考えていきました。信頼できるエージェントと出会えたことも成功できたポイントだったかもしれません。 |
【番外編】転職以外の40代からのキャリアプラン
ここからは番外編として、転職以外での40代からのキャリアプランを紹介します。「キャリアアップのためには転職しかない!」ということはありません。自分のキャリアを棚卸ししていく中で、転職以外でできることが見えてくることもあります。
社内で異動を検討する
大企業の場合、数年単位で事業部や勤務エリアの異動が実施されるケースもあります。また社内での新規事業を公募するケースも増えてきました。
リクルートが実施した「異動とキャリア開発に関する意識調査」によると、異動を肯定的に捉えている人は、一般社員も管理職も半数を超えていました。異動をキャリアアップのチャンスと前向きに捉えているようです。
一方で、会社都合による人事異動を受け入れたくない声も一般社員からは45%あるため、自ら望まない異動をどう捉えるかは大切になりそうです。
今働いている企業の風土や制度を確認し、キャリアアップになりそうな異動を望むこともひとつの選択肢として考えられるでしょう。
複業(副業)を始めてスキルアップを図る
ここ数年で、複業(副業)を始める人と副業を容認する企業も増えてきました。しかし複業(副業)を禁止している企業の割合は49.3%と、まだまだ多くないのが現状です。
実際にコロナ禍で複業(副業)を始めた人はどれくらいいるのでしょうか? 「副業に関するアンケート調査」によると、30%弱がコロナ前後で複業(副業)を始めていますが、40%以上が「副業を始めたいが会社に止められている」と回答。なかなか複業(副業)がしにくい状況が読み取れます。
しかし、厚生労働省では副業・兼業を推奨する動きもあるため、近い将来で会社の対応が変わる可能性もあります。今後の変化に備えて、「やってみたい複業(副業)」を検討しておくのがよいかもしれません。
個人事業主として独立する
専門スキルがある方や、人脈を活かして新しいビジネスを始められる方、複業(副業)が本業の収入を超えたという方は、個人事業主として独立する選択肢もあります。
全国400名のフリーランスを対象とした「フリーランスの働き方に関する実態調査」によると、500万円を超える人は10%以下という結果に。400名の中にはさまざまな業種が含まれているため、すべてのフリーランスがこの比率と一致するとは言えません。しかし、稼ぐためには厳しい現実であることは把握しておきましょう。。
また個人事業主の場合、税金や健康保険など全て自分で支払いしなければいけないため、働き方や生活スタイルは大きく変わります。独立して何をするのか、年収目標はいくらなのか、自分のキャリアを把握してから行動するのがおすすめです。
起業して会社を経営する
「いつか起業したい!」と考える40代もいるかもしれません。フランチャイズWEBリポートが実施した「独立開業に関する意識」調査によると、40代の25〜28%が「独立に興味がある」と回答しています。
独立したい理由としては、どの世代も「収入を増やしたい」が多く、飲食店や小売業、IT・通信系で開業したいと考えている人が多いようでした。
女性の場合、年齢が低くなるほど独立への意欲が高く、男性は年齢に関係なく25%前後が開業に興味があると回答している傾向にあります。
独立開業の場合、事業の継続性も重要になります。事業を始めるだけでなく、続けていくための計画も立てていきましょう。
まとめ
40代の転職に関わる情報をたっぷりと紹介してきました。
転職活動を成功へと導くために大切になってくるのは、以下の3点です。
- キャリアを棚卸しすること
- これからのキャリアビジョンを丁寧に描くこと
- 独りよがりにならないこと
若手社員とは違い、勢いや気持ちだけで転職活動を進めることはできません。これまでの経験を活かし新しい場所で活躍できるためにも、今までのキャリアを振り返り、これからの未来を描くことが大切になってきます。
また、エージェントやヘッドハンター、キャリアコンサルタントなど40代の転職ではサポート体制もしっかりと整っています。周りの人に助けてもらいながら、情報収集を積極的に行い、理想の企業へ転職できるよう頑張っていきましょう。